国家ナノ科学センターが21日に明らかにしたところによると、同センターの研究者と協力者がポラリトン分野で新たな進展を遂げ、ナノスケールの光子の正確な操作・制御水準を大幅に上げた。これはナノイメージングや光学センサーなどの応用性能の向上に重要な意義を持つ。これに関連する研究成果は「ネイチャー・ナノテクノロジー」にオンライン掲載された。科技日報が伝えた。
光子は電子と比べ、高速、低エネルギー消費、大容量など多くの優位性を持ち、情報処理能力を大幅に上げることが大いに期待されている。「だが光の回折限界が存在するため、ナノスケールの光情報の伝送と処理が困難で、光子の卓越した性能の発揮が妨げられている」。論文の連絡著者の1人で、国家ナノ科学センター研究員の戴慶氏はこのように説明した。
ポラリトンは材料の表面・界面に存在する特殊な電磁状態で、光子と物質のカップリングにより形成される準粒子とも考えられる。優れたライトフィールド圧縮能力を持ち、光の回折限界を容易に打破できる。光波長をナノスケールに圧縮し操作・制御することで、ナノスケールの光情報の伝送と処理を実現する。
戴氏は、「我々は研究において、10ミクロンの波長の赤外線を数十ナノメートルの波長のポラリトンに圧縮するとともに、性能の調整・制御により平面内のエネルギー集束と特定方向への伝播を実現した。これはゾウを筆箱に入れ、さらにその中で自由に活動させるのと同じようなことだ」と説明した。
戴氏はさらに、「この研究はポラリトンを利用しナノスケールの光操作・制御を実現した。将来的にナノスケールの光電融合を実現する見通しだ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年8月23日