今年7月にフランス・パリで開催されたアニメの総合博覧会「ジャパンエキスポ」で、中国発のゲーム「原神」が人気を集め、展示ブースにやって来るアニメファンやゲーマーは途切れることがなかった。関連グッズを手に入れようと、熱心なゲーマーたちが会場の横幅の半分にも達する長い行列を作り、グッズは1時間足らずで売り切れ、出遅れた人は手ぶらで帰るしかなかった。人民日報海外版が伝えた。
最近、多くの中国ゲームが海外で人気を集め、オープンワールド型アクションRPGの「原神」から、中国ならではの仙人修行をテーマにした「鬼谷八荒」、そして武侠小説風のアクションアドベンチャーバトルロイヤルゲームの「永劫無間」まで、さまざまな人気ゲームがある。こうしたゲームには独特の魅力あふれる中国文化の要素が採用され、海外のゲーマーたちの注目を集めている。
ゲームのキャラクター設定で、「原神」は英語の名前ではなく中国語の名前を一貫して採用し、海外ユーザーに深い印象を与えただけでなく、海外で中国語ローマ字表記「ピンイン」の学習ブームが起きた。ユーチューブの「原神」の中国語キャラクター名の発音を教える動画は、再生回数が200万回を超えた。
「原神漢字研究所」と名乗る日本のユーザーがゲームの中の中国文化の要素を熱く語るツイッターが話題となった。「原神」の中の深い意味が込められた漢字や語句を取り上げ、関連の書籍を調べて自身の解釈と照らし合わせ、日本語に翻訳して、より多くの日本のゲーマーに向けてそこに含まれた意味を説明するというものだ。
ゲームのキャラクター「雲菫」の服飾、動作、戯曲のくだりなどは中国伝統劇の文化的要素とゲーム自体の特色・ムードが融合したもので、登場するとすぐに中国内外の若者に人気が出て、海外のゲーマーの中には中国伝統劇に興味を抱くようになった人もいる。
「雲菫」が歌い踊る動画「神女劈観」には、海外のネットユーザーから「美しさに涙が出た」、「なんてピュアで優しい声なの!彼女の甘い歌声が好き」、「中国の戯曲は金のように魅力がある音楽だ」といったコメントが続々寄せられ、ユーチューブでの再生回数は722万回に達した。
ゲーム文化が広がる背景には開発者サイドの不断のイノベーションがある。「原神」を制作・発行する上海米哈遊網絡科技股份有限公司(ミホヨ)の劉偉社長は、「デジタル文化製品としてのゲームは、産業化システムの構築と切り離すことができない。米哈遊は企業内に専門の研究チームを立ち上げ、世界トップレベルメーカーの産業化レベルを追いかけ新たな技術を追求する仕事を任せている。また複数の国や地域に開発センターを設立して、世界の科学研究人材を誘致し、産業化のパイプラインを構築し、製品の品質と制作の効率を高めている」と説明した。
長期的な技術の蓄積により、「原神」はアプリ技術でブレークスルーを遂げ、複数のプラットフォームでの同時接続で先陣を切り、プレイステーション、iOS、アンドロイド、PCなどさまざまなプラットフォームで遊べるようにし、ゲームユーザー層ごとの習慣に対応した。
海外進出はここ数年の中国ゲーム産業のホットな話題の1つで、急速に成長する海外市場は中国ゲーム産業に多くのチャンスを与えてきた。同時に、国際市場も成熟してきており、海外進出により中国国内のゲーム産業が独自開発能力の改善と製品品質の向上のきっかけになるだろう。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年8月27日