山火事相次ぐ重慶で「バイクライダー」が鎮火に貢献

人民網日本語版 2022年08月26日15:36

猛烈な暑さが続いている重慶市ではここ1週間、山火事が頻発している。一連の山火事では、険しい山で火事が散発し、アクセスが悪く、完全に消火することが難しいという特徴が際立っている。消火作業には都市の消防隊員や武装警察・兵士のほか、災害救助の経験やスキルのあるボランティアが続々と支援に駆け付けている。中でも最も注目を集めているのは、重慶の「バイクライダー」たちだ。ライダーたちは、かごを背負って山道をバイクで走り、物資や消火設備を第一線の消火活動現場に運んでいる。

支援に参加しているバイクショップのオーナー・王暁臣さんによると、支援に参加しているライダーの多くは90後(1990年代生まれ)で、「重慶の人々は団結している。僕たちがボランティアの申込にいった時は、すでに定員に達していた」と話す。

物資を運ぶライダー

ボランティアとして一番初めに現場にたどり着いたライダーの徐瑞さん(22)は、「ライダーのほか、自発的に来たフードデリバリーサービスや宅配便の配達員もたくさんいる。今回、支援に参加して一番印象に残ったのは、『中国の団結力』を肌で感じることができたということ」と話す。

重慶市応急管理局は25日の取材に対して、同日午後7時の時点で、重慶市巴南区、万州区、黔江区、潼南区、大足区と銅梁区の境界地点などの山火事や、豊都県と雲陽県の山火事などが相次いで消し止められたことを明らかにした。死者・負傷者などは報告されておらず、重要施設の被害もないという。

その他、最新情報によると、長寿区の山火事も鎮火し、死者・負傷者などは報告されていない。

重慶の人々が示した「英雄の精神」

米国の中国学者ジョン・キング・フェアバンク氏はかつて、「重慶は険しい山が多く、平地が少ないため、居住には適していない」と述べたことがある。もしかすると、その言葉にも一理あるのかもしれない。極端な高温の影響を受け、森林火災のリスクが上がり、複雑な地形が消火活動の足かせとなっている。さらに、今年の夏、重慶の住民は、猛烈な暑さに耐え、山火事のリスクに直面したうえ、局地的な新型コロナウイルス感染拡大にも悩まされている。このような数々の試練が、猛暑で知られる「ボイラー都市」の火に油を注いでいる。

しかし、中国には、「環境が人を作る」という言葉もある。山地に囲まれ、地形や環境が厳しいため、重慶の人々はかごを背負ってバイクに乗ることになれているだけでなく、恐れることなく自然と闘う精神、互いに見守り、助け合う絆を育んでいる。このような庶民の「英雄の精神」は、「ボイラー都市」と呼ばれるような厳しい環境の中で培われてきたのではないだろうか。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年8月26日

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