初秋のころ、貴州省六盤水市盤州市盤南石炭公司の「若い」土地は、科学技術の不思議な魅力を実感させてくれた。荒れ果てていた廃石捨場だった場所から植物が生えたのだ。中国科学院武漢岩土力学研究所の白氷研究員の「人工土壌・土地製造技術」が、ここで理論の研究から応用の成果に変わった。これは中国初の「人造土地」での栽培が成功したことをも示している。科技日報が伝えた。
白氏は、「昨年は10種類以上の植物を試験栽培したが、すくすくと育った。今年植えた木の苗はすべて活着した。唐辛子も検査したが、完全に安心して食べられる」と述べた。
石炭は中国の主要基礎エネルギーと重要な工業原料だ。通常は1トンの原炭を生産すると約0.15−0.2トンの廃石ができ、発電による石炭燃焼でもフライアッシュが生じる。関連データによると、2020年現在の中国の廃石の残量は約60億トンで、毎年5−8億トン増えている。
白氏は、「廃石やフライアッシュなどの大口石灰固形廃棄物を長期的かつ大量に積み上げることで、深刻な環境的、経済的さらには社会的問題が生じる。土地が占用され、耕地や森林などの面積が減少する。自然発火による有毒で有害なガスや元素も、雨に溶け込むことで地下水と土壌を汚染し、生態環境に深刻な被害をもたらす」と説明した。
白氏は、六盤水の廃石やフライアッシュの成分が天然の土壌成分に非常に類似していることに気づき、これを「人造土」に変えることはできないかと考えた。
2020年以降、研究チームは貴州盤江石炭電気集団盤江股份公司と協力し、廃石捨場ガバナンスの大規模実験を展開した。実験面積は計約1.33ヘクタール。人工土壌・土地製造と天然の土地における作物栽培の対照を行った。同等の管理状況下で、実験エリアと対照エリアには明らかな差があった。「人造土地」の作物の方が成長が速く、勢いよく茂っていた。
研究チームは現在、人造砂質土、人造生態粘土、人造壌土、配合比率最適化と改良など一連の技術を確立し、内蒙古(内モンゴル)自治区の乾燥地帯で試験を展開している。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年8月25日