哈爾浜(ハルビン)工業大学(威海)ロボット研究所軟体ロボット実験室はこのほど、マイクロ波駆動ロボットの開発に成功した。このロボットはマイクロ波駆動を直接利用し、いかなる電気機器を持たなくても、その他の駆動方式では任務を遂行できない閉鎖された非透明の構造体の内部といったような特殊な状況で、柔軟に活動できる。この研究成果はこのほど、国際的な学術誌「Advanced Science」に掲載された。科技日報が伝えた。
マイクロ波とは、周波数が300MHzから300GHzの電波を指す。磁場、光、超音波、湿度などのワイヤレス作動方式と異なり、マイクロ波は無損耗で非透明の障害物(コンクリート、セラミック、プラスチックなど)を透過できる。またフェーズドアレイ技術を利用することで、マイクロ波は非機械的急速転向及びフォーカスを実現できる。
ハルビン工業大学のチームは角錐ホーンアンテナで発射する周波数が2.47GHzで出力が700Wのマイクロ波を使い、ロボットの駆動を行い、かつ複数の駆動装置による共同運動の定量制御を実現した。同時にチームは導線と形状記憶合金バネによる伸縮型アクチュエータを掲げ、これに基づき4足匍匐ロボットを設計した。同ロボットの高さは15ミリメートル、重さは0.42グラムのみ。マイクロ波駆動ロボットの小型化・軽量化の強みを示した。
チームはさらに4つの伸縮型アクチュエータにより植物の傾性運動を再現した。黄色の導線は植物の花蕊に似ており、マイクロ波の照射を受けると4枚の花びらが開く。マイクロ波がないと花弁はすべて閉じる。これはマイクロ波のクラスタ駆動の強みを示した。
同チームはマイクロ波駆動の関連研究を持続的に展開し、マイクロ波駆動の周波数制御能力を改良することで、エネルギー消費量を削減している。また密封された容器内部の装置制御、体内操作マイクロ装置の開発などの面で関連技術の実用化を目指していく計画だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年9月20日