
北京の中央民族大学には、テンガロンハットをかぶって、ギターを弾きながら、学生と一緒に歌を歌っている外国人を目にすることができる。真っ白の長いひげを蓄えている米国人のマーク・レビンさんは、中国に暮らして17年にもなる。中国日報が報じた。
マークさんには、中国で暮らす17年の間に、シンガーソングライターや中央民族大学の教授、「中国政府友誼賞」受賞者、中国の「グリーンカード」取得者など、たくさんの「肩書き」ができた。

マークさんの「中国での物語」を語るとすれば、周恩来氏の生まれ故郷である江蘇省淮安市を取り上げないわけにはいかないだろう。彼はそこで「居場所」を見つけ、「中国での物語」をスタートさせ、そこで音楽のインスピレーションを得て、「音楽の旅」もスタートさせたという。
2005年に中国に来ることを決めたマークさんは、たくさんの仕事に応募した。そのうちの一つのインビテーションの冒頭には、「江蘇省淮安市にある淮陰師範学院は、中華人民共和国の初代総理・周恩来氏の生まれ故郷です」と書かれていた。そんな特別なインビテーションを見て、周恩来氏に対する崇敬の念から、「そこへ行くことにした」という。
そんなマークさんは、淮安市を散策していた時に、インスピレーションを得て、1曲目となる中国の歌を作ったという。初の作詞作曲ともなったその曲の中で、マークさんは「Out upon the Jiangsu Plain lies the city of Huai'an. It's the place I'm proud to call my home」と歌っている。
マークさんが歌うその曲を聞いた周恩来氏の姪・周秉徳さんは、「外国人がこれほど美しい中国に関する詩を書けるなんて、とても驚いた」と褒めちぎったという。
その後、周秉徳さんから周恩来氏の写真を寄贈されたマークさんは、「これは単なる写真ではなく、極めて大きな栄誉だ」と話す。

周恩来氏の写真をマークさん(写真左)に寄贈した周恩来氏の姪・周秉徳さん(写真右)。
始めは中国に1年住むだけの計画だったというマークさんは、淮安市で「居場所」を見つけることができ、外国人教師の雇用契約を終えた後も中国に残り続けることを決め、今年で17年目を迎えた。
2014年、マークさんは、中国が中国で働く外国人専門家に授与する最高位の賞「中国政府友誼賞」を受賞し、2016年には中国の永住資格となる「グリーンカード」を取得した。マークさんは今後も、中国での暮らしを続ける計画という。

2014年に「中国政府友誼賞」を受賞したマークさん
「今年で74歳になったのだから、もう休んではどうか」と言われることもあるというマークさんは、「僕の人生はずっとバケーションだ」と答えた。
初めて中国に来た時、マークさんはそこで居場所を見つけ、そこに暮らし、働き、さらに17年も続く揺るぎない思いと責任を見つけることになるとは予想もしていなかったという。
マークさんの「中国での物語」は、心を打つものがあるのではないだろうか。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年1月13日
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