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ぜいたく品、値上がりすればするほど人々が欲しがるのはなぜ?

人民網日本語版 2023年02月13日16:59

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「ルイ・ヴィトンがまた値上げするらしい。急いでバッグを買いに行かなくちゃ」。ぜいたく品ブランドのルイ・ヴィトンが「価格を20%引き上げるらしい」との情報がこのほど検索トレンド入りした。一部の消費者にとって、ぜいたく品の値上げは急いで買いに行かなければならないというサインになっているようだ。こうしてルイ・ヴィトン直営店には長蛇の列ができていた。

実際、ぜいたく品ブランドの値上げはこの業界の毎年の恒例行事だ。ぜいたく品ブランドのエルメスの最高財務責任者(CFO)は2022年10月にメディアに対し、「2023年に世界的に製品の価格を5%から10%引き上げる計画だ」と明かしている。

SNSでは、ドイツやフランスに在住のネットユーザーが、現地のルイ・ヴィトンが2月初めに値上げをしたので、「早めに買っておいて得をした」などと発信している。

星図金融研究院の付一夫シニア研究員は、「ぜいたく品は値上げをするたびに、実は消費者の心の中でぜいたく品が『ぜいたく(ラグジュアリー)』なものであるという認識を強化することにある程度成功している。値上げのたびに話題を集めることもブランドの影響力を目に見えない形で高めている。市場の期待という点から見ると、今は多くの消費者がぜいたく品はこれから値上がりすると予想しており、値上がりの予想に基づいて購入を検討し、自分のアイデンティティを際立たせると同時に、ぜいたく品を持っていたいという欲望を満足させようとする。これもぜいたく品が値上げをするたびに人々が争って買い求めることの原因だ」と述べた。

また付氏は、「別の角度から見ると、ぜいたく品ブランドは値上げという方法で顧客をふるいに掛けてもいる。こうすればブランドは自身の稀少性と独自性を保つことができるし、自身の市場に対する信頼感も明らかに示すことができるので、値上げによって買う人がいなくなることは心配していない」との見方を示した。

中国の消費者の「爆買い」により、ぜいたく品ブランドには大きな利益がもたらされた。少し前、傘下ブランドにルイ・ヴィトン、ディオール、フェンディ、ティファニー、ブルガリなどのトップブランドを擁するLVMHグループが22年度決算データを発表した。それによると、22年度のグループの売上高は前年比で23%増加して、792億ユーロ(1ユーロは約141.1円)に達し、1日あたり約16億元(1元は約19.3円)を売り上げた計算になる。営業利益は同23%増の211億ユーロに達した。そのうちルイ・ヴィトンの売り上げが初めて200億ユーロを突破している。同グループにとって中国市場を中心とするアジア市場は最も大きな売上高を達成するエリアであり、他の市場では代替不可能な役割を果たしている。データを見ると、(日本を除く)アジア市場は総売上高の30%を占めることがわかる。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年2月13日    

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