今月6日、トルコでマグニチュード(M) 7.8の地震が2度発生したのを受け、中国政府は時を移さず、緊急人道支援メカニズムを始動させ、複数の救助チームが被災地入りして支援を展開している。人民網ではトルコで救助活動を展開している中国の救助チームの動きを「トルコ地震救援日記」として追っていく。
公羊救援隊は2月10日、トルコの災害・緊急管理署の指令を受け、トルコ南部のイスケンデルン市ベルンから、被災状況が深刻なハタイ県アンタキヤ市まで車で移動し、トルコのAKUT捜索救助協会に協力して、捜索救助活動を展開した。
公羊救援隊が2月10日に移動したルート(写真提供・何軍)。
現地時間午前11時過ぎ、移動車両はアンタキヤ市の外縁に到着。救急車が長蛇の列を作り、深刻な交通渋滞を引き起こしていた。我々の移動車両はただひたすら抜け道を探し続け、市内の捜索救助現場の最前線を目指した。
深刻な交通渋滞が生じていたアンタキヤ市外縁の様子(動画のキャプチャ画面)。
救急車が列を成している様子(動画のキャプチャ画面)。
何とかして市の中心地にたどり着くと、現場はレンガやがれき、そして傾きかけた建物だらけで、目の前には完全に傾いてしまった6階建ての建物があった。しかもこの建物の中には、今も2人が閉じ込められているという。我々は設備を使って環境をチェックした後、どのように救助を展開するか検討した。
レンガやがれきに埋め尽くされたアンタキヤ市の中心地の様子(写真提供・公羊救援隊)。
完全に傾いてしまった6階建ての建物(写真提供・公羊救援隊)。
しかも地震発生からすでに100時間近くが経過しており、生存者を見つけ出す時間的余裕はますます少なくなっている。
がれきの中を進む災害救助犬のラッキーとハンドラーの高之江さん(写真提供・公羊救援隊)。
がれきの中を進む災害救助犬のラッキーとハンドラーの高之江さん(動画のキャプチャ画面)。
今日、我々は災害救助犬のラッキーを捜索活動に参加させた。ハンドラーの高之江隊員は、被災現場の地面に散らばるガラスの破片やレンガ、がれきなどでラッキーがケガをしないようにうまく避けながら、ラッキーを連れて捜索を進めていった。そして4時間近く捜索作業を進めた結果、午後3時過ぎ、ついに作業ポイントのうちの1ヶ所でラッキーが成人男性の生存者1人を見つけ出した。
被災現場で捜索を行う救助隊員と災害救助犬のラッキー(写真提供・公羊救援隊)。
被災現場で捜索を行う救助隊員と災害救助犬のラッキー(写真提供・公羊救援隊)。
それは我々が救助した7人目の生存者となった。ラッキーがまさにその名の通り我々に幸運をもたらしてくれたのだ!
次の任務地に向かうため、現場を出発しようとしていたところ、トルコのAKUT捜索救助協会の責任者がわざわざ我々の移動車両にまでやって来て、感謝の気持ちと我々を称える拍手をしてくれた。
公羊救援隊の移動車両にやって来て、感謝の気持ちを伝えたトルコのAKUT捜索救助協会の責任者(動画のキャプチャ画面)。
現在、数多くの国から国際救助チームがトルコの被災地へと集まってきている。より多くの救助現場で、今日のような拍手があがって欲しいものだ。なぜならそれはより多くの命が助かったことに他ならないからだ。(編集TG)
「人民網日本語版」2023年2月11日