唐時代の陶器「唐三彩駱駝載楽俑」がテーマのランタンエリアでは、楽隊の俑(副葬品とされた人形)がモチーフの斬新なデザインのランタンが飾られて、盛唐時代らしい威風堂々のムードが私たちを迎えてくれる。また、三国時代の文学作品「洛神賦」がテーマのランタンエリアでは、洛河の女神の艶やかな姿がイメージされ、古代の伝説が現代のランタン祭りの形で中華文明の輝きを今に伝える。四川省自貢市で行なわれている第29回自貢国際恐竜ランタン祭りの会場では、さまざまなテーマのランタンが色鮮やかに灯り、現代のテクノロジーの力を示すとともに、文化的な物語を「光の競演」で表現している。
自貢のランタン祭りは代表的な国家級無形文化遺産であり、唐・宋時代から行なわれ、徐々に発展してきた。今年は例年と異なり、全国初の「ストーリー化+ゲーム化」による没入型ランタン祭りが行なわれ、5つのテーマストリートエリアが設置された。若い女性は古代の装束に身を包み、ランタンのきらめきの中で素晴らしい瞬間を写真に切り取り、そしてお年寄りたちはそぞろ歩きをしながら、家族と一緒に目の前に広がる素晴らしい情景を心ゆくまで楽しむ…。観光客は煌びやかな「中国ランタンの街」の姿を心ゆくまで堪能し、中国伝統文化ならではの魅力を実感していた。今年の春節(旧正月、2023年は1月22日)連休期間に自貢ランタン祭りを訪れた観光客は、前年同期比54.17%増の延べ30万9500人に達した。
中国のランタン文化の重要な一部分である自貢ランタン祭りでは、その中心となるランタン作りの技術が「絶品」と高く評価されている。今では海外にも進出した自貢のランタンは、中国文化のシンボル的製品になった。今年の春節には、中国内外の都市で行なわれた84のランタン祭りで自貢のランタンがお目見えし、国内外の人々は中国民俗文化のきらめく彩りを大いに楽しんだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年3月2日