「青蔵(チベット)高原の野生動物の生息状況を追跡して、理解を深めるために、三江源地区(長江、黄河、瀾滄江<メコン川上流>の源流地)に25回、可可西里(フフシル)の無人地帯に15回足を運んだ」と話すのは、中国の著名な動物写真家の葛玉修氏で、彼にとって青海省玉樹蔵(チベット)族自治州は憧れの場所だ。葛氏は、生き生きとした野生動物の写真を撮影することさえできれば、どんなに大変でもその価値があると感じている。人民網が報じた。
三江源地区を走る野生のヤク(撮影・劉運沢)。
豊かな自然に恵まれている玉樹蔵族自治州は、高原生物の遺伝資源の宝庫だ。唯一無二の資源賦存量を誇り、ますます多くの写真家がやって来て、撮影を存分に楽しんでいる。また、地元にも写真家たちが少しずつ現れ、少しずつ腕を磨き、三江源の「物語」がそれら作品を通して、生き生きと伝えられるようになっている。
玉樹蔵族自治州曲麻萊(チュマルレプ・ゾン)県域内で撮影されたユキヒョウ(撮影・公尕日)。
「1週間に3-4回はユキヒョウを見かけるようになった」と話すのは三江源国家公園大自然撮影チームメンバーの公尕日さんで、普段のパトロール中に、カメラで公園内の様々な動物をカメラに収めている。昨年7月には、曲麻萊県巴干郷の山をパトロール中にうずくまって休んでいたユキヒョウを発見し、カメラに収めたという。
大自然撮影チームのメンバーたち(撮影・公尕日)。
大自然撮影チームは、曲麻萊県の各郷・鎮の農牧民約80人から構成されている。そのうちの半分は、生態系管理・保全員で、生態系保全という重要な責任を担いながら、様々な表情を見せてくれる三江源地区をカメラに収めている。撮影チームは、イイズナやクチジロジカ、チルー、オオヤマネコといったしばしば遭遇する野生動物をカメラに収め、変化に富む国家公園の物語を生き生きと描き出している。
青海玉樹蔵族自治州を流れる扎曲河に姿を現したユーラシアカワウソ(撮影・南木則)。
山水自然保護センターの創始者である北京大学の呂植教授によると、玉樹蔵族自治州で、ユキヒョウやヒョウといったフラッグシップ種が確認されるということは、生態学的には地域の生態系が健全であることを示しており、重要な研究と保全的価値があるという。同自治州は、三江源国家公園の奥地に位置し、野生動物が最も集中しているエリアの一つ。標高の高い場所に生息、生育する動植物の「宝庫」の原生状態と整合性は世界でも唯一無二だ。野生動物の遭遇率や多様性も中国国内において指折りと言える。
大自然撮影チームのメンバーが玉樹蔵族自治州で撮影したセーカーハヤブサ(写真提供・大自然撮影チーム)。
雪域で鳴き声をあげる鳥たち(撮影・昂扎)。
玉樹蔵族自治州の隆宝国家級自然保護区内のオグロヅルは200羽以上、インドガンは1万羽以上まで増えた。可可西里のチル―は7万頭以上、ヤクは5000頭以上、チベットノロバは8000頭以上まで増えた。玉樹蔵族自治州内のユキヒョウは1000頭以上まで増えた。
大自然撮影チームのメンバーが玉樹蔵族自治州で撮影したオオヤマネコ(写真提供・大自然撮影チーム)。
青海省文学芸術界聯合会はこのほど、玉樹蔵族自治州と、戦略的協力に関する合意書に調印した。双方は協商を通じて、三江源国家公園の独特な資源的優位性を活かし、中国文学芸術界聯合会、青海省文学芸術界聯合会、中国撮影家協会といった専門機関を活用し、中国三江源国際野生動物撮影シリーズイベントを企画、開催し、動物写真旅行という新業態を充実させている。玉樹蔵族自治州は現在、実際の行動で、野生動物写真家に「理想的な撮影スポット」を提供している。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年3月28日