酒を片手に肉の串焼きを食べるのがピッタリな夏がもうすぐ到来する。山東省は肉の串焼きの有名どころには位置づけられてはいないものの、実は2000年以上の歴史を誇り、それを裏付ける歴史的文化財もある。ここではそんな歴史的文化財を見ながら、山東省における「バーベキュー」の歴史を見て行こう!
臨沂市の五里堡の漢代の画像石「庖厨図」(セット、所蔵機関・臨沂市博物館)。
山東省臨沂市の五里堡の厨房での作業を描いた漢代の画像石「庖厨図」には、串刺しの肉を片手に持ち、もう一方の手には団扇を持つ様子が刻まれており、その様子はまさに現代のバーベキューをほうふつさせる。
高級な食材ほど、その調理方法は往々にしてシンプルなものだ。2000年以上前の漢の時代の人々は、羊肉や牛肉、鶏肉、魚を大きめに切り、串刺しにして、「コンロ」を準備し、炭に火を点け、片手に串刺しの肉を持ちながら、もう片手に持った団扇で火をおこし、肉が美味しく焼きあがるのを待つ姿は、現代のバーベキューそのもの。当時は、クミンや唐辛子といった現代のバーベキューには欠かせない調味料がまだ中国に伝来していなかったものの、外はこんがり焼け、中は柔らかく、おいしい香りを漂わせていたに違いない。
1人が串刺しの肉を焼き、もう1人が団扇をあおぐ、2人で肉を焼いている様子(所蔵機関・臨沂市博物館)。
肉を切る調理人(所蔵機関・臨沂市博物館)。
厨房では、肉を焼く調理人のほか、魚や肉を切ったり、炭の火を起こしたりしている人もいる。頭上には、鳥や豚の足、羊の頭、牛の頭、ウサギといった食材もぶら下げられている。
これらの漢代の画像石には、当時の美食だけでなく、人々の生活の様子も記録されている。(編集KN)
羊の屠殺、水汲み、野菜を切る作業、薪割り、肉調理などの様子が描かれた山東省諸城市の前涼台の漢代の画像石「庖厨図」(拓本)。
臨沂市の五里堡の漢代の画像石「庖厨図」に描かれた魚を調理する様子。
「人民網日本語版」2023年4月12日