今年に入り、中国では内装工事市場が活況となっており、左官職人の需要が高まり続けている。あるメディアの報道によると、年俸25万元(1元は約19.4円)でも左官職人が見つからないというケースも生じている。人件費の高騰は、建築市場で人材の需要が急速に高まっていることを反映しているが、その背後には、人材不足や職人の高齢化といった問題も存在しており、注目に値する。工人日報が報じた。
左官職人の日給が600元から800元ほどまで高騰
安徽省安慶市出身の鄭立綱さん(45)は、自分の左官技術について、「陳さんがリーダーのグループで、私は最も腕のいい左官職人。依頼が多く、順番待ちの状況」と胸を張る。そんな鄭さんは北京で約20年ちかく内装工事の経験を積んできた。
あるメディアの報道によると、現在、内装工事の需要が急激に高まっており、全ての職種に中で、左官職人が最も不足しているという。
左官職人は主に、内装業界や建築業界で活躍している。内装業界の左官職人は、レンガ積みや壁の下地処理、キッチンの防水、タイル張りといった作業を担当する。左官職人の日給は600元から800元ほど。一方、建築現場の左官職人の日給は400元から600元ほどとなっている。
「若者はハードで、汚れる仕事を嫌う」
内装業界の左官職人である鄭さんによると、収入こそ多いものの、近年、内装の材料が変化しているため、作業の難度は年々上がっているという。例えば、数年前まで張っていたタイルの大きさは30センチ×60センチのものが多かったのに対して、ここ数年は、60センチ×120センチ、75センチ×150センチという大きなタイルが流行している。「ひび割れたり、傷ができたりしてはならず、真っ直ぐに張らなければならず、1枚張るのに30分ほどかかる」という。
陳さんによると、「左官職人は、セメントや砂ぼこりに接することが多いほか、レンガを運んだり、切断したりという体力仕事もある。今の若者はハードで、汚れる仕事を嫌う。近年、左官職人の給与は上がっているが、その平均年齢も高くなっている。工事現場で、腕を磨き、いろんなことを勉強し、チャレンジする若い左官職人がどんどん減っている。今後は、高い給与額を示しても、左官職人が見つからないという状況がますます増えるだろう」との見方を示している。
腕のいい左官職人の需要高まる
現在、SNSで内装の仕上り状況をシェアする人が増えているのを背景に、左官職人の「腕」に対する要求も高まっている。例えば、浴室の勾配や壁の継ぎ目などの処理には、より高い技術が必要になっている。鄭さんは、「収入を増やすためには、新しい技術を学び、新しいスタイルを研究し続けなければならない」と話す。
業界関係者は、建築業界に若者を呼び込むためには、高い給与額だけでは不十分で、労働環境を改善し、労働保障制度を整備し、建築作業員の社会的地位を高め、建築作業員の優れたイメージづくりに取り組み、その労働に対する評価を高めて、敬意を払われる業界にしなければならないと指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年4月26日