小野寺氏「中国も日本も政治家の力量を問われている」
日中友好市民倶楽部の小野寺健理事長はこのほど、人民網のインタビュー番組に出演し、中日友好に向けた取り組みや最近の両国関係に対する考えなどを語った。インタビュー要旨は以下の通り。
-----いまの中日両国の膠着状態を打開するには、具体的にはどんな取り組みが必要か。
それは我々が国交正常化の原点に立ち戻ることだろうと思います。我々は国交正常化という先人の努力の上にあぐらをかいていたのではないかと。ですから国交正常化の話し合いの中でどういう話をしたかと言えば、毛沢東主席は田中首相に向かって喧嘩は済みましたかと話したわけです。国交正常化の過程の中で問題がなかったわけではないわけです。あったわけです。しかし当時の政治家はそれを乗り越えて国交正常化を果たしたわけです。外務大臣だった大平正義さんは次のようなことを言っています。日本と中国というのは近接した隣国ですから、好むと好まざるにかかわらず付き合っていかなければだめだと。しかし歴史的な経緯もあるので非常に微妙であり、その付き合いというのは大変だと。要は努力しなければならない関係なわけです。努力しないで一方的に主張してしまえば衝突しますし、我々は国交正常化の過程の中で何か努力したわけではなくて先人の努力の上に乗って交流しているわけですから、やはり原点とすれば国交正常化の原点に立ち戻ること、謙虚に交流をする努力をする必要がある気がします。
-----中日関係がどのようなものなのかを、原点に立ち返って認識しなければならないと。
これは私の一市民としての知恵としてどういうことが可能であるかといえば、日本政府は領土問題は存在しないと表明しているわけですね。国有化をするということは管理の問題と質的な違いが出てきます。したがって東京都が所有するということと日本政府が所有するということは質的な違いが生じるんだ、大きな争点になるんだ、という認識が欠けていたのではないかと。これは友人等々とも話したのですが、現実的な知恵とすれば、尖閣諸島について言えば、双方の政府において見解の相違があると表明する。日本政府も巡視船の警備をある程度下げる。中国政府も海洋調査船をさげる。そういう形で原点に立ち戻って解決する。そうしなければ長期戦になって、双方にとって不利益がどんどん拡大するだけだろうと。それは政治家が大きな視点で先輩の足跡を勉強しなおして解決する努力が必要だと思います。
-----互いに歩み寄る姿勢が大事だと。
領土問題というのは要するに日本も中国も妥協できないんですね。妥協できない中でどう妥当な落ち着きどころを探すか。それはやはり政治家の力量ですので、中国も日本も政治家の力量を問われているだろうと。小粒になったといわれる中で日中ともに国民から喝采されるような政治的決断ができるかどうか。それを私は一市民として期待したいと思います。
「人民網日本語版」2012年12月11日