西園寺一晃先生インタビュー「歴史を忘れてはならない」 (3)
■民間交流が重要
西園寺先生は「当時築かれた日中民間交流の土台は依然堅固だ。私としては、民間交流の重視は1つの経験だ」と指摘。「政府間の関係が悪化した時には、民間の役割を重視しなければならない」と強調した。
現在の日本の右傾化が中日間の衝突をもたらす可能性について質問すると、西園寺先生は「根本的に言って、日本人はやはりアジア、中国人民との友好を望んでおり、その思想基盤は比較的堅固だ。現在の問題はやはり政治家が賢明でないことで、日本のメディアにも偏見がある。教育の欠陥のために日本の若者は戦争の恐ろしさがわかっていない」と述べた。
西園寺先生は「今私が日本の民衆に最も伝えたいのは、中国は平和的発展の道を歩んでいるということだ。トウ小平先生は中国は将来強大になっても、覇権主義に走らないと述べた。私は現在も北京大学客員教授を務めており、講義の際にはいつも中国の学生たちに、トウ小平先生の話に感動したことを話したうえで『だが、現在の中国が覇権主義に走るか否かは、トウ小平先生が決められることではもうなく、君たち若い世代が自ら決めなければならない』と伝える。人類の歴史において強国と呼ばれた国は数多い。古代ローマからソ連、米国、日本、それからドイツもあった。こうした国々には1つの共通点がある。いずれも対外侵略と覇権主義に走ったことだ。中国がそうするか否かは、現在の中国の若者が自ら決める必要がある」と心を込めて語った。
まさに西園寺先生の言うように「日中友好は宿命」だ。地理的に中日両国は海を隔てて相望む一衣帯水の隣国、アジアの重要な国であり、互いに重要な戦略的利害関係にある。日本工学院大学孔子学院院長である西園寺先生は「私が喜び安堵させられるのは、中国語を学び始める日本人が増えており、今では幼児クラスもあることだ。中国語を話せ、中国のことを知るようになることを子どもに望む保護者が増えているということだ」と微笑んだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年9月25日