ケネディ氏が駐日大使就任後にすべきこと
故ケネディ大統領の娘であるキャロライン・ケネディ氏は19日、米上院で行われた自らの駐日大使就任に関する公聴会に出席し、議員らの質問に答えた。(文:金エイ・中国社会科学院日本研究所副研究員。環球時報掲載)
「東中国海での中日間の島嶼紛争」への対応という「鋭い」質問に、ケネディ氏は釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題で特定の立場を取らないとの米国の立場を再確認したうえで、現在の中日関係緊張への「重大な憂慮」を表明。「米政府には平和的な対話と外交を推し進める責任と義務がある」とも述べた。これは積極的なシグナルであり、われわれにとっていくらか期待できるものだ。中日米3カ国協力の推進、地域の平和・安定促進のため、ケネディ氏には確かな行動を取ってもらいたい。
まず「一方を味方にし、一方を叩く」ゲームのやり方を改め、「公平な調停者」になるべく努力すべきだ。現在中日間には歴史認識で原則的な溝があり、釣魚島をめぐり領土紛争がある。日本が係争を認めれば、両国はテーブルについて協議、交渉を行うことができる。これらの問題は複雑だが、決して解決できないものではない。現在厄介なのは米国、特に国防総省が中日間の紛争について常に日本の肩を持って、日本政府の強硬姿勢を助長し、コントロール困難な事態の生じる瀬戸際へと東アジアを追いやっていることだ。このため中国人は日本右翼に対して義憤をたぎらせると同時に、こうした方法による米国の「アジア回帰」に嫌悪感をつのらせている。
ケネディ氏の駐日大使就任について、政治経験不足を問題視する声が多く上がっている。だがケネディ氏は歴史を鑑とすることができる。ケネディ氏は米上院で、大使就任はこの上ない光栄であり、父の遺志を継いで(米日)両国の外交関係に輝きを取り戻したいと述べた。それならばケネディ氏は父の50年前の演説での戒告を銘記すべきだ。「われわれが追い求めている平和は戦争を手段として他国に強要する、米国の強権下の世界平和では決してない」--。また、朝鮮とインドシナに対する米国の軍事介入がもたらした世紀の悪夢も銘記すべきだ。それ以上に、イラク、アフガニスタンで相次いで失敗した米国が、もしアジアでも日本によって無意味な戦争に巻き込まれたらどれほど耐えがたいことになるかを考えるべきだ。したがって、ケネディ氏は中日間で中立公平を保つべきだ。特に釣魚島問題において「特定の立場を取らない」ことは、たとえ姿勢に過ぎずとも、中日間の争いをヒートダウンさせ、ひいては米国の利益を守るうえでプラスだ。