米国は「反作用の力」に注意すべき
オバマ米大統領の2期目就任、おめでとうございます。(文:張建剛・広東海洋大学海洋政治戦略研究室主任)。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
1期目のオバマ氏とクリントン、パネッタ両氏は「スマートパワー」「リバランス」を打ち出すなど、「力学」原理をよく理解していたと言える。これらの「戦略の遺産」は2期目も継承される可能性が高い。
「力学」をよく理解しているオバマ氏らなら「ニュートンの第3法則」、つまり「作用の力には必ず向きが反対で同じ大きさの反作用の力がはたらく」という作用・反作用の法則はなおさらに熟知しているはずだ。
国際政治では「スマートパワー」以外に「反作用の力」も同様にはたらいている。ベトナム戦争を例に挙げると、米国の出兵という作用の力に対して、北ベトナムだけでなく平和を愛する全世界の人民、さらには米国人民からも反作用の力がはたらき、ベトナム戦争は1975年に米軍の撤退とベトナムの統一によって終りを告げたのだ。
次に朝鮮核危機を例に挙げてみよう。朝鮮半島の平和は本来両側の力の均衡を基礎に築かれるべきだ。だが実際には38度線の両側の軍事力は一方が朝鮮、一方が米韓同盟であり、まるで「ウサギ対ライオン」だ。米韓の高圧的政策、頻繁な合同軍事演習という強大な作用の力が、朝鮮側の反作用の力を引き起こさないことは考えにくい。2010年12月の米韓合同軍事演習を前に、朝鮮は「必要時には『核の聖戦』を発動する」と表明した。昨年12月、朝鮮はロケットを打ち上げ、衛星を宇宙へ送り込んだ。
イラン核問題は朝鮮核危機と同工異曲だ。彼らはイラクが大量破壊兵器の放棄に同意した後の末路、リビアが核計画を放棄した後の末路を知っている。彼らは作用の力を受けた時、同じ大きさの反作用の力を生むことで、イラクやリビアのような悲劇を避けようとしているのだ。
現在米国は中国の急速な発展を見て、仰々しく「アジア太平洋のリバランス」を行い、「スマートパワー」を発揮している。米国は朝鮮の衛星にかこつけて日韓の不安を煽り、ミサイル防衛同盟の構築をアジア太平洋諸国に無理強いし、22カ国合同軍事演習で太洋をかき回している。一方で、日本、フィリピン、ベトナムなども米国に度胸をつけられて、度々中国に力をアピールしている。