朝鮮半島問題:4カ国へそれぞれ一言
中国の王毅外交部長(外相)は6日、国連の潘基文事務総長との電話会談で、朝鮮半島情勢の緊張に深刻な懸念を表明するとともに、「中国の玄関先で騒ぎを起すことは認めない」と述べた。(文:華益文・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
この発言がどの国を指しているのかにメディアは特に注目している。その解釈は人によって異なるだろう。だが朝鮮半島情勢が緊張の度を高める中、地域の平和・安定の大局および中国の国益を守る観点から、朝鮮半島問題の各当事国を一喝する必要がある。
■朝鮮へ 情勢判断を誤るな
朝鮮には軍備と科学技術を強化し、自国の安全保障に対して理に適った懸念を抱くだけの理由が百もある。だが国連安保理決議に違反して核実験や弾道ミサイル技術を使った発射を行ってもよい理由は1つもない。朝鮮は昨年以降の朝鮮半島情勢の相互エスカレートに対して、逃れることのできない責任を負っている。朝鮮には自国の特殊な国情、政治的必要、政策選択、政治言語スタイルがある。これは朝鮮の内政であり、外国に干渉の権利はない。だが朝鮮の選択と言動が朝鮮半島の摩擦を激化させ、地域の平和と安定に影響を与えた場合、国際問題に変化する。こうなると朝鮮の勝手にさせるわけにはいかなくなる。朝鮮半島情勢も朝鮮の構想や期待に沿って推移するとは限らない。
■米国へ 火に油を注ぐな
米国は朝鮮半島問題に関する安保理決議という「天子の宝剣」を持ち、核不拡散など安全保障問題上も理に適った懸念を抱いているが、国連決議を超えた一方的な対朝制裁・圧力は正反対の結果をもたらすだけだ。米国が数十年来朝鮮に対して制裁や圧力を加え、孤立させてきたことも、朝鮮半島の摩擦の根源の1つだ。1990年代以降、歴代米政権の対朝政策は接触と隔絶の間で揺れてきた。これは朝鮮に米国の誠意に対する疑念を抱かせ、合意に違反する口実を与えた。米国は総合国力と軍事的プレゼンスにおいて朝鮮を遥かに上回る超大国で、強い立場にある。力を誇示するいかなる行動も朝鮮半島情勢の緊張を高めるだけだ。