吉林省工場火災事故、中国政府「重大な責任事故」
吉林省徳恵市の鶏肉加工工場で3日、火災が発生し、少なくとも120人が犠牲になった事故を受け、中国国務院(政府)の事故調査グループは6日、同省長春市で全体会議を開催した。人民日報が報じた。
同グループのグループ長である、楊棟梁・安全生産監督管理局局長は、「重大な責任事故。事故を起こした企業の安全生産主体責任は逃れられない。また、政府の管理、監督責任も逃れられない」と厳しい言葉を並べた。
一方、同省の巴音朝魯・省長は、「省長として深く後悔し、自責の念に駆られている」とした。
楊局長は、「同企業は従業員の命を顧みずに、作業を手配していた。作業員数百人が集まる作業場には、安全対策も講じられていなかった。作業場の技術設計や材料の選択、建設、施行、性能検証など、すべてに重大な問題が存在していた」との見方を示したほか、「同企業は、従業員を対象とした研修や演習を実施しておらず、従業員の雇用に秩序が見られない。多くの従業員がドアの付近で犠牲になっていた。なぜ犠牲者の数が40人から、突如100人以上に増えたかというと、ドアの付近で大量の遺体が発見されたためだ。火災が発生した場合、逃げなければならないことは誰でも知っているのに、どこに向かって逃げたらいいのか誰も知らなかったのだ。非常ドアに鍵がかけられていたかは、今の時点では結論を下せないが、少なくとも、開けられなかった」と指摘した。
さらに、火災の原因に関しては、「出火場所、爆発が原因の火災なのかなどは、分析と証拠調べが必要」とし、「真剣な態度で実地調査に臨む」と語った。
一方、巴音朝魯・省長も、「業務に存在する不足や問題を深く実感している。政府の安全監督、管理には多くの抜け穴がある。さまざまな部門が責任を確実に果たしておらず、同社の主体責任も果たされていない。そして、生産や費用対効果に重きを置き、安全や命をないがしろにしていた。それにより、取り返しのつかない安全生産責任事故を起こした」と語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年6月7日