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止まらない円安傾向 人民元の上昇も止まらず

 日本円の人民元に対する値下がり傾向が今も続いている。29日には円の対人民元基準値が100円=6.0365人民元となり、前営業日より400ベーシスポイント(bp)円安となった。一方、人民元の対円レートは今年に入ってから19%以上上昇し、円は人民元との為替差益を狙う各種ホットマネーの中で最も注目される通貨となった。「経済日報」が伝えた。

 現在の国内経済は基本的に人民元が継続的に大幅上昇する局面を望んでいない。資本の流動が増大すれば、人民元上昇を後押しする重要な要因となる。27日には人民元の対米ドルレート基準値が1ドル=6.1811元となり、今月の基準値は2005年の人民元改革実施以来、6回目の最高額の更新となった。対外経貿大学金融学院の丁志傑院長は、「ホットマネーの流入で(人民元の)値上がりへの期待が非常に高まり、この期待が人民元の上昇圧力をさらに増大させている」と話す。

 今年に入ってから、人民元は円に対して大幅に上昇し、円資金に利益獲得の可能性を与えた。現在、円建て貸し出しの金利は低く、円のホットマネーは香港を経由し、国境を越えた貿易における人民元建て決済業務を通じて大陸部に入り込み、大陸部の人民元建て預金の3%の金利と日本のゼロ金利との差から利益をもぎ取ろうとしている。

 中国社会科学院(社会科学アカデミー)金融重点実験室の劉煜輝主任は、「日本のハイエンド電子製品、自動車、工業製品は、円安に力を得て韓国や大陸部など近隣の経済体と直接競争を展開している。こうした状況により東アジア地域の他の経済体が自国通貨のレート引き下げを迫られる可能性がある。この地域で唯一の弾力性を欠いた通貨である人民元は、こうしたリスクを著しく増大させ、2013年の中国の経常収支にとってはっきりとした圧力になる可能性がある」と述べ、円安がもたらした外部リスクが人民元の将来にとって大きな脅威になると指摘した。

 中国新興北京支店外国為替取引チームの楊彬主管も、人民元の円に対する大幅な上昇はアジア各国の輸出に大きな影響を与え、の影響は第2四半期(4-6月)になって徐々に顕在化するとの見方を示す。

 楊主管はさらに分析を進め、日本の量的緩和政策の影響が継続的な円安を後押ししており、人民元の円に対する上昇傾向は短期的には大きく変化することはない、と述べた。(編集KS)

 「人民網日本語版」2013年5月31日

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