業界関係者が語る飛行機の最も安全な席 後部は弱い (2)
ファーストクラスとビジネスクラスが一番安全
これまでにも、中国のネット上では、安全性を機内の位置別に示した図が話題になったことがあった。ただ、真ん中が最も安全という人もいれば、後方が比較的安全と言う人もいるなど、一致した意見はなかった。ある研究では、飛行機で火災が発生した場合、前方に座っている乗客の生存率が65%だったのに対し、後部に座っていた乗客の生存率は53%だった。ある乗務員は、「着陸時に爆発が起きた場合、ガソリンタンクが翼にあるため、真ん中に座っている乗客は非常に危険であるほか、後部には出口がない。そのため、前方の乗客の生存率が高くなる」と指摘する。一方、ある業界関係者は、「機体の重心は翼と機体の接続部分にあるため、中間の構造が最も安定していて丈夫。また、機体の頭部には大量の精密機械があるコックピットがあるため、しっかりと保護されている。通常、機体の真ん中より少し前方、つまり、ファーストクラスやビジネスクラスがある位置が最も安全」と分析する。
機体の構造から見ると後方が最も弱い
同関係者によると、飛行機の構造だけを見れば、機体の中でも後部が比較的弱い部分だという。
機体後部は飛行機の末尾に位置する。機体全体を力のモーメントの模型と考えれば、端点に対する力の作用は明らかだ。これは「サトウキビを食べる時には、まず両端を持って2つに割る」、という点からも想像できる。同関係者は取材に対し、「機体が緊急着陸する場合、システムが自動的に働き、頭部が先に地面に接触することがないよう、機体は頭が少し上がる姿勢を取る。これが、事故が発生した際に、後部の被害が大きくなる原因だ」と語った。
墜落の場合は後部が安全
一方、墜落事故の場合は、機体の頭のほうが低い位置にあるため、頭部が最も危険な場所となり、後部が最も安全な場所になる。2010年5月、ヨハネスブルク発トリポリ行きのアフリキヤ航空771便がトリポリ国際空港への着陸に失敗し墜落した事故では、機体は大破したものの、後部だけはそのまま残っていた。ある専門家は、同事故で唯一の生存者となった当時8歳の男児は、後部に座っていたと見ている。しかし、今回の韓国アシアナ航空214便の事故では、後部が大破したため、後部に座っていた乗客が犠牲になった。そのため、同関係者は、「事故が発生すると、どこの席に座っていても危険。例えば、真ん中はエンジンに近く、燃料が漏れる可能性があるため非常に危険。一方、物理的構造を見ると、後部が危険」と、実際には、ネット上で話題になっている安全な席に関する分析に、大きな意義はないことを強調した。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年7月8日