人民元国際化の歩みがスピードアップ
最近の政策をみると、金利の改革を提案したり、個人のオフショア投資を認可したりしているだけでなく、人民元建て資本金口座の両替を徐々に認めることも計画されている。これは人民元が世界的な通貨になるための長い道のりを出発し、大きな一歩を踏み出したことを意味する。「人民日報」が伝えた。
中国は2010年、人民元を国際的な通貨にするための取り組みをスタートし、企業が世界各地で人民元建てで国際貿易の決済を行うことを認めた。それから3年足らずの間に、人民元は信じられないほどのスピードで発展を遂げた。スタンダード・チャータード銀行の人民元グローバル化指数(RGI)によると、10年12月に人民元国際化プロセスのモニタリングを始めて以来、世界における人民元の使用量は10倍に増加した。12年第4四半期(10-12月)には、中国の商品・サービス貿易の人民元建て決済額が決済総額に占める割合は1年前の8%から12%に上昇した。
人民元の地位が上昇を続けており、世界ではますます多くの投資家と企業が人民元を資産蓄積や資金回収のための通貨とみなすようになってきたことに地位の上昇ぶりがうかがえる。今年4月末現在、香港では期限を迎えていないディムサム・ボンド(主に香港で発行・流通するオフショア人民元建て債権)と定期預金の総額は4600億元に上り、香港の人民元建て預金の約70%を占めた。台湾では企業の国境を越えた人民元建て貿易決済が急激に増加していることから、人民元建て預金の規模が香港に追いつきつつある。今年末の預金規模は1千億元から1500億元に達する見込みで、そうなれば台湾はシンガポールを抜き、香港に次ぐ世界2位の人民元建て預金の市場になる。
ユーロ圏の経済の不確定性が増大していることから、欧州の多国籍企業各社は国際通貨としての人民元を受け入れるようになり、英国・ロンドンも利益を得ている。東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の企業は、シンガポールが新たにうち出した人民元建て決済機能を通じて、米ドルに代わって人民元でインボイス(送り状)を発行することの利点を認識するようになった。