南アフリカの警察で中国語クラス開講
「ニーハオ(こんにちは)」、「ニーハオマ(お元気ですか?)」、「ウォーアイニー(愛してる!)」--。南アフリカのヨハネスブルグの華人警備協力センターの会議室内からは、こんな中国語が聞こえてくる。中国経済が急速に発展し総合実力が向上するにつれ、南アフリカでは学生やビジネスマンなど、多くの人が中国語を勉強し始めている。しかし、同国の警察が一生懸命中国語を勉強するというのは、あまり聞いたことが無い。人民日報が報じた。
在南アフリカ中国大使館や中国公安部、南アフリカ警察総局が主催し、前出センターが共催する、南アフリカの警官を対象にした中国語クラス(一期)が、同センターの会議室で行われた。元々、参加者12人分の机とイスしか用意されていなかったが、当日はヨハネスブルグのクリーブランド警察局や国際空港の国境警察局から計18人が参加した。
近年、南アフリカでは華人関係の事件が多発しているものの、言語の違いが壁となって、南アフリカ警察は効率よく処理できない状態となっている。クリーブランド警察局の管轄内にある中華街・シリルディーンには多くの華人が集まっている。近年、南アフリカを訪問する中国人観光客は急速に増加しており、ヨハネスブルグのO・R・タンボ国際空港には毎日大勢の華僑・華人が往来している。同センターの呉少康・主任は、「中国人と接する機会が多い警察は、ある程度の中国語を習得し、問題の処理能力や効率を向上したいと望んでいる」と語る。
同クラスの開講セレモニーに参加した南アフリカ警察総局の関係者は、参加者に対して、「皆さんはアフリカ大陸で初めて中国語を学ぶ警察官であり、これは歴史的なこと。人生においてまたとない機会であり、一生懸命学んでもらいたい」と激励した。
同クラスで教師を務めるのは、ヨハネスブルグで中国語学校を経営している叢林さんだ。叢さんは1992年に南アフリカに来て以来、ずっと中国語の教師を務めている。叢さんは取材に対して、「同クラスは南アフリカの警察が中国人をよく理解し、尊重することにつながるため、とても意義がある」とし、「同クラスを通じて、中国語だけでなく中華民族の文化も学んでほしい」と語った。
在南アフリカ中国大使館の警務連絡官、王志鋼・参事官は、「同クラスは中国と南アフリカの双方に益がある。南アフリカの警察が中国語の基礎を学べば、現地の華僑・華人の合法的権益を一層効果的に守ることができる。警察が中国語を話せるようになると、中国人も親しみを感じる」とし、今後、ダーバンやケープタウンなどの都市でも同様のクラスを設置したいと語った。王参事官はまた、中国政府の出資により、現地の警察総局や移民局の官僚が今年10月から中国で1年間中国語を学ぶプログラムもスタートすることを明らかにした。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年8月16日