職場で危機感に襲われる中国の80年代生まれ 出世への焦りも
「微博(ウェイボー・ミニブログ)」上では最近、こんな投稿が80年代生まれの人の共感を呼んでいる。「職場では、上には60年代、70年代生まれの上司がいて、自分たちの地位を固めており、下では90年代生まれの若者が虎視眈々と付け入るすきを狙っており、その間に挟まれた80年代生まれの危機感が日々増している」--。この世代が直面しているのは、家庭での責任や能力の行き詰まり、出世の焦りなどの問題だ。職場を変えるか、転職するかに度々悩むものの、家族を養うという責任を背負っているため、そう簡単には決定を下すことができない。広州日報が報じた。
あるベテランサラリーマンは、職業計画において30-35歳が重要な時期と見ている。既に職場で数年奮闘している80年代生まれの人は、未だに自分の人生設計や職業計画がはっきりしていないなら、それを早くはっきりさせ、回り道はできるだけ避けなければならない。
職場で強いストレス感じる80年代生まれ
筆者の取材では、大きなストレスを感じている80年代生まれの人は決して少数ではなかった。まず、30を過ぎたばかりの80年代生まれ人の多くは現在、就職し家庭を持っており、家庭での責任も大きくなっている。それで、「どのような職業計画をすれば、上には高齢の親、下には自分の子供という家庭の負担を支えることができるのだろう。また、職場での大幅な成長が見込めなくなってしまったり、逆に後退してしまったりしたなら、どうすればよいのだろう」というのが悩みの種だ。
次に、80年代生まれの人は現在、「35歳」が人生において1つの分岐点になることを身を持って感じ始めている。李亮さん(31)は、「事業単位(国家が社会公益目的のため、国家機関により運営あるいはその他組織が国有資産を利用し運営するもので、教育、科学技術、文化、衛生などの活動に従事する社会サービス組織)の多くが、新入社員応募の条件として30歳以下を挙げ、公務員試験の受験条件も35歳以下となっているのを見ると、チャンスがどんどん減っている悲しい現状に気付くようになる」とし、「今安定した仕事を新たに探すのは本当に難しい」と肩を落とす。
さまざまな職種において、「35歳」が分岐点になっているため、80年代生まれの人は今後生きていくための道を模索せざるを得なくなっている。
能力の行き詰まりと出世への焦り
取材では、現在、80年代生まれ人は職場で大きな危機感を感じていることが分かった。その主な原因は、能力の行き詰まりと出世への焦りだ。これらは元々、▽頻繁な転職により、1つの分野で経験を積むことができず、技術が伸びない▽1つの分野で長期間経験を積んでいるものの、成長したのは始めの数年だけで、後は同じ仕事の繰り返しで足踏み状態になっている---のどちらかに起因していることが多い。
能力の行き詰まりは、足踏みして前に進むことができなくなっている人たちが感じており、そのような人は家庭を持った後、多くの精力を家庭に注ぎ、明らかに仕事に集中することができなくなっている。その影響は、技術研究開発やクリエイティブデザインなどの業界で特に目立つ。なぜなら、これらの業界の理念や技術は、移り変わりが早く、定期的な学習を継続できなければ、自分の持っている知識もすぐに時代遅れになってしまい、他の人に遅れを取ってしまうことなるからだ。
一方、出世の焦りは、外資系企業で働いている人に特に見られる。業界関係者によると、「外資系企業の一般職員は通常、若い顔ぶれがほとんどで、落ち着いた中年の人はほとんど見かけない。もし、一般職員が5、6年働いても出世していないなら、競争の熾烈な外資系企業での発展は難しくなり、新しい社員に追い抜かれてしまう可能性さえ出てくる。そのため、外資系企業で35歳以上の一般職員は往往にして、自ら職を別の所に求めようとする。このような状況は外資系企業だけではない。合弁企業や私営企業の多くの職員も一定の肩書を得ることができないと、同じような危機感を感じる」という。