「サラリー暴露アプリ」大人気 転職のマストアイテム?
就職先を探す際に、その会社の将来性に次ぐ重要なポイントは、何と言っても報酬だ。だが今のところ、ほとんどの企業が、給与制度を外部に公表しておらず、求職サイトでも、給与の目安(範囲)や上限額の表示にとどまっているケースが多数を占める。ある会社の具体的ポストの給与について真実を知ることは簡単ではない。「サラリー暴露」という名前のアプリが最近、ネット上で人気上昇中という。このソフトを使えば、多くの企業の給料を瞬時に調べることができる。中国広播網が伝えた。
スマートフォンのアプリには、奇奇怪怪な代物も多い。この「サラリー暴露」は、ネット上で急速に人気が広まっており、「人生は辛い。見て見ぬふりをしても、結局は直視しないといけないのか」とコメントするネットユーザもいた。携帯でこのアプリを検索すると、簡単に見つかる。ダウンロード後、このアプリはアカウント作成が不要ですぐに使え、企業名、あるいや職名を入力することで、簡単に給料を調べることができる。
試しに、某テレビ局の名前を入れると、サラリーの額が職名別にずらりと表示された。「司会者」では、2人が暴露しており、平均月給は5万元(約84万元)。「編集者」では9人が暴露、平均月給は7600元(約12万8千円)。アプリ開発企業によると、ここには、約20万社、1300万種類の給料情報が入っているという。
いくつかのポストの給料を調べた後、「規定の検索回数を上回りました。もしまだ続いて閲覧を希望する場合は、同アプリを友だちとシェアすれば、あと10回検索することができます。ユーザが自分の給料を発表する場合は、審査に通れば、無制限で検索可能となります」というメッセージが出た。
このような「給料暴露」アプリの人気の秘密はどこにあるのか?ここに自分の報酬を暴露することで、個人情報漏えいの危険性はないのだろうか?これまでにも、天涯フォーラムなど多数のサイトでも、ネットユーザが自分の給料を暴露しており、「給料暴露」専門サイトも登場している。他人の給料が気になる人がそれほど多いということらしい。
メディア業界で豊富な経験を持つ張鵬氏は、「このようなアプリに人気が高まっているのは、人々の好奇心をくすぐるからだ。また、自分が携わる業界の平均レベルを知る上で大いに参考にもなる。給料は、個人の経済的利益に直接関係があり、業界や地区によるギャップが大きいため、大人気になった。他人の収入レベルを大体知ることができて、皆の好奇心も満たされる。もちろん、このようなアプリが成立するには、極めて大量のデータ提供が前提となる」との見方を示した。
では、このようなアプリが提供するデータは、信頼に足るものなのだろういか?実際に数人の友人が携わる業務ポストについて確認作業を行った。彼らのほとんどは、「アプリ上の金額は、自分の今の報酬とほぼ変わらない。だが、今後、アプリ開発企業が個別に審査を行うとなった場合、膨大なデータの中に、現実にそぐわないものが出てくることは避けられないだろう。これらのデータは、本当に『参考』に過ぎない」と答えた。また、「自分が携帯でアップロードしたデータが原因で、個人情報が漏えいするのではないか」という危惧感を抱いている人も多かった。
「給料暴露」アプリ開発チームは、「ユーザの個別データを作成することはあり得ない。ユーザが自分の給料をアップロードする場合も、姓名や従業員番号の情報は任意に省くことができる」としている。実際、入力必須項目は、会社名、職名、給料の3種類だけで、それ以外の情報は必ずしも提出する必要はない。張氏は、「アプリ開発・運営企業の管理が万全でない場合は、確かに個人情報漏えいの危険性はある。だが、情報項目の種類が少ないため、闇取引の対象となる可能性はない」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年12月2日