「メイド・イン・チャイナ時代」から「中国の設備時代」へ
「中国の設備の海外進出、特に新興国との協力の強化は、相手国のインフラのモデルチェンジとアップグレードにとって助けとなり、中国の過剰生産能力の消化、装備の質とサービス水準の向上にもプラスであり、双方や多くの国に幸福をもたらし、中国・EU協力のみならず世界にとってもプラスだ」。李総理は25日(現地時間)にルーマニアに到着すると、直ちに多忙な外交日程をこなし、休む間もなく中国の設備を「売り込み」、ハンガリー・セルビア鉄道の建設で協力することを発表した。
国家行政学院経済学部副主任の董小君教授は人民網の単独インタビューに「設備製造業を『製造業大国』から『製造業強国』への転換の突破口とすることには、現実的な戦略的意義がある。『メイド・イン・チャイナ時代』から『中国の設備時代』へと進むに伴い、グローバル・バリューチェーンにおけるメイド・イン・チャイナの地位は『スマイルカーブ』の両端で高まりつつある」と指摘した。
■グローバル・バリューチェーンは「諸刃の剣」
董氏は「過去30年間の中国経済の急成長はグローバル産業チェーン、グローバル・バリューチェーンのおかげだ。だがグローバル・バリューチェーンは『両刃の剣』でもある。中国はグローバル・バリューチェーンによって生産製造システムが形作られ、貧困と立ち後れから脱した。その一方で、グローバル・バリューチェーンのローエンドに長年居続ければ、『中所得国の罠』に陥る。グローバル・バリューチェーンにおける中国産業の現在の地位は『前に狼、後ろに虎』で、両面から挟み撃ちにされていると言える。中国の輸出が雑貨製造のイメージから抜け出すには、バリューチェーンのローエンドから出て行き、ハイエンド製造業主導の産業構造を全面的に構築しなければならない」と指摘。
「では、雇用圧力を抱える中国のような大国は、どうすれば産業の高度化を実現するとともに雇用圧力を解決できるのか?中国製造業にとっては革靴や靴下も、飛行機やロケットも製造できるのが、より理想的な状態だ。これは何によって製造するのか。もちろん設備だ」と述べた。
設備製造業はその国の戦略的産業・工業の台頭の目安であり、製造業の土台の競争力であり、コア・コンピタンスだ。設備製造業は現代産業システムの背骨であり、他の産業との関連度が高く、先導性が強く、雇用を多く創出する、エネルギー・資源節約型の、高付加価値産業だ。設備製造業を「製造業大国」から「製造業強国」への転換の突破口とすることには、現実的な戦略的意義がある。