OECD生徒の学習到達度調査結果発表 上海の学生が優秀な成績
世界最大のシンクタンク・経済協力開発機構(OECD)が実施した2012年度版生徒の学習到達度調査(PISA)の結果が3日に発表され、上海の中学生がさまざまな分野でトップの成績を収めた。しかし、その背後では、宿題にかける時間1週間平均13.8時間という、世界一の犠牲が払われていた。人民日報が報じた。
OECD が義務教育の終了段階にある15歳の生徒を対象に、読解力、数学知識、科学知識、問題解決を調査するPISAは主に、国際比較により教育方法を改善し標準化する観点から、生徒の成績を研究することを目的としている。
2009年に続いて2回目の参加となった上海では、主に数学に的を絞って調査が行われた。参加したのはOECDのテスト基準に基づいて選ばれた上海の155校に所属する学生6374人。
発表された結果によると、上海の学生は数学の分野で2位に大きく差を開けてトップだった。平均点は613点、86.8%の学生がOECDの平均点494点以上だった。またトップ10には、573点で2位と3位に入ったシンガポールと香港の学生のほか、台湾、韓国、澳門(アモイ)、日本など、東アジアの7の国と地域の学生が入り、同地域が数学の分野で優位性を誇っていることが示された。一方、読解力の分野でも、上海の学生は平均点570点でトップ。以下、香港545点、シンガポール542点と続いた。さらに、科学的リテラシーの分野でも上海は平均点580点でトップ。以下、香港555点、シンガポール(551点)、日本(547点)と続いた。
輝かしい成績の背後には、人一倍の努力があるようだ。上海の学生が宿題にかける時間は、1週間平均13.8時間と、こちらも世界でトップだったのだ。同数字はOECDの平均時間(7時間)の約2倍だ。また、分析によると、上海の学生の校内での授業時間は一週間平均28.2時間で9位だったものの、授業以外の時間に、学生たちは学校の宿題をしなければならないほか、家庭教師との学習などもこなさなければならない。OECDは多くの国に、学生の校外での学習時間や宿題の量を増やすよう呼び掛けているが、上海はその逆で、減らす必要がある。
PISA2012中国上海プロジェクトグループの責任者である上海師範大学の張民選・校長は、「中国の基礎教育の質を正確に把握し、我々の教育に自信を持たなければならない」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年12月4日