シャープが中国業務を調整 鴻海はもはや不要? (2)
業界アナリストの指摘によると、シャープは鴻海の販売ネットワークと製造力を十分に利用して、中国での販売業績を引き上げようと考えたが、予定通りにはいっていない。シャープのスマートフォンは中国での販売台数はとうの昔に上位10社から脱落した。鴻海の業務内容に詳しい業界関係者によると、「シャープの携帯電話はすでに販売の重点を日本に置いている。鴻海も国内のスマートフォン、例えば小米などとの協力を選択している」と話す。
中投顧問の李方庭研究員(情報技術(IT)産業担当)によると、シャープと鴻海の協力が暗礁に乗り上げたとのうわさが流れており、これは両社の協力に問題が出現したということのほかに、シャープが業務構造を調整したことと大いに関係があるという。
易観智庫の卓賽君シニアアナリストがメディアに述べたところによると、シャープが鴻海とのスマートフォンをめぐる協力をうち切ったことは事実だ。アップルやサムスンを代表とするハイエンドの携帯電話や小米、華為などのミドルエンド・ローエンドの携帯電話が激しい攻防を繰り広げる中、国内市場は飽和状態にあり、シャープ製品が足を踏み入れる余地はほとんどないからだという。
シャープと鴻海の協力が終了すると、鴻海からシャープへの投資にも希望はもてなくなる。交渉の対象となる複数の資本を見つけたシャープにとって、鴻海はもはや必要ない存在なのだ。
卓シニアアナリストは、「鴻海は資金繰りに困ったシャープを救うただ一つの『望み』ではなくなり、多くの選択肢の中の一つになった。シャープの戦略は多方面と合従連衡する局面を形成するというものだ」と話す。