プライベートバンクを取材 秘密のベールを暴く
厳しいセキュリティーチェック、豪華な装飾、金庫がずらりと並ぶ密室--プライベートバンクと聞くと、多くの人の頭には映画のシーンが浮かぶことだろう。日増しに増加する富裕層を獲得するため、中国銀行業は金融資産が数百万元、数千万元に達する富裕層を対象にプライベート・バンキングを提供しており、一般的な預金・引き出しから個人の資産管理、さらにはよりハイエンドな日常的な一対一の生活サービスまで拡大している。楚天都市報が伝えた。
中国招商銀行とベイン・アンド・カンパニーが先月上旬に共同発表した「2013年中国個人資産報告書」によると、湖北地区で1000万元(約1億5500万円)以上の投資可能資産を持つ富裕層の規模は、2012年に1万7000人を上回り、昨年だけでも6000人増となった。これはつまり、過去1年間で1日平均16人の湖北省出身者が、1000万元クラスの長者の仲間入りを果たしたことを意味する。
プライベートバンクとは果たしてどのようなものだろうか。プライベートバンクにはどのような業務があるのだろうか。記者はこのほど、武漢市のプライベートバンクを取材し、その秘密のベールを暴いた。
◆目立たない入り口、豪華な装飾
多くのプライベートバンクは、目を引くような入り口を持たない。中信銀行のロビーには、「プライベートバンク」と書かれた看板がなかった。従業員に案内されてようやく、ロビーの片側にある「個人金融資産管理センター」の入り口のそばに、赤い下地に黒い字で「プライベートバンク」と書かれた小さな立て札があることに気がついた。
プライベートバンクのロビーに入ると、分厚い絨毯にヨーロッパ風のソファーが置かれており、天井のシャンデリアがリッチな雰囲気を引き立てていた。壁にはやわらかな彩りの油絵が掛けられており、その下にはガラス製の透明なケースがあった。よく見ると、ケース内には百年以上前のマーテルコルドンブルーばかりが陳列されていた。