上海自由貿易区 人民元兌換自由化を試行か
8日に明らかになったところによると、上海自由貿易区は金融制度のイノベーションを加速し、リスクコントロール可能を前提とし、人民元建て資本項目の兌換自由化を全国に先駆けて施行する可能性がある。京華時報が伝えた。
アナリストは、「自由貿易区内における人民元建て資本項目の兌換自由化は、経済構造のモデルチェンジおよび金融システム全体の改革推進にとって、重大な意義を持つ」と指摘した。
中央財経大学中国銀行業研究センターの郭田勇主任は、「人民元建て資本項目の兌換自由化の流れについては、中国金融業発展・改革の第12次五カ年計画の中で明確に説明されている。つまり人民元建て資本項目の兌換自由化は、5年間をかけて徐々に実現されていくことになる。第12次五カ年計画期間(2011−2015年)は折り返し地点を過ぎており、自由貿易区内における人民元建て資本項目の兌換自由化は、金融改革の必然的な結果である」と語った。国家行政学院決策諮訊部の副主任、研究員の陳炳才氏は、「上海自由貿易区の人民元建て資本項目の兌換自由化は手続きを簡略化し、審査・許可制を登録制に変え、直接登録をも可能とする。これにより利便性を大幅に引き上げることが可能だ」と述べた。
中国人民銀行が2012年に発表した報告によると、中国の資本勘定開放加速の条件はほぼ整っており、そのうち完全に兌換可能もしくはほぼ兌換可能な資本項目は3分の2に達した。通貨主権別に見ると80数項目があり、そのうち3分の1はすでに開放されている。交通銀行金融研究センターの研究員である陳鵠飛氏は、「自由貿易区の設立の根本的な目的は、貿易取引コストの削減、中国の商品・サービス貿易のさらなる発展の促進にある。同時に自由貿易区内で一部の人民元建て資本項目の兌換自由化の試行を慎重に推進することで、サービス貿易の発展を促し、人民元資本項目の兌換自由化の経験を蓄積し、開放による改革促進という政策目的を実現できる」と指摘した。