中国経済の安定化はやはり確か 8月PMIが新記録
国家統計局サービス業調査センターと中国物流・調達連合会がこのほど発表したデータによると、今年8月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.0%となり、11カ月連続で景気・不景気のボーダーラインとされる50%を上回り、過去16カ月間で最高だった。国際金融報が伝えた。
上海財経大学現代金融研究センターの奚君羊副主任は、「公的な製造業のPMI指数が持続的に上昇しているだけでなく、より注目すべき点として、これまで公的データと異なる動きをみせていた香港上海銀行(HSBC)の製造業PMI指数も8月は公的データと同じく上昇の動きをみせたことがある。このことから、中国経済がすでに底を打って安定化に向かっていることが、しっかりと証明された」と話す。
▽需要の回復がPMIを刺激
8月の製造業PMI指数の個別12指数はいずれも上昇した。新規受注指数と新規輸出受注指数は前月に比べ著しく上昇し、上昇幅がどちらも1%を超えた。
ある証券会社のアナリストは次のように述べた。HSBCが先週発表した8月の製造業PMIデータ速報値をみると、新規受注指数が再び50%のボーダーを上回ったが、新規輸出受注指数は引き続き加速的に低下しており、このことが国内需要は製造業の回復を支えられるかどうかといった市場の懸念を呼び起こしている。だが、公式に発表されたデータから見る限り、国内需要が引き続き上昇を続けているだけでなく、外部からの需要もある程度改善しており、少なくとも大規模・中規模企業はそのようなプラスの情況にあるという。
同アナリストはまた次のように述べた。個別指数をみると、市場の需要の改善が8月の製造業PMI指数の継続的上昇を喚起した最大の要因だ。だが、外部からの需要の見通しはなお大きな不確定性に直面している。欧州や米国の経済が回復し始め、特にユーロ圏の経済が回復し始めていることは、中国の製造業輸出企業にとっては好材料だ。とはいえ新興経済体の経済は苦境に陥り始めており、これからは新興経済体からの注文が減少する可能性があるという。