北京と西安は、長い歴史と、豊富な文化を誇り、客観的に見ても、中国がこれらの都市の特徴を生かして、海外に中国旅行をPRしてきたことがわかる。戴院長によると、「かなり長い間、中国の海外向けの観光宣伝動画や宣伝資料で欠かせない要素となってきたのが、万里の長城や故宮、兵馬俑など。外国人観光客は、それらに強い印象を受け、中国のイメージというと特にそれらを連想する」。
定番の旅行から個性ある旅へ変化
近年、旅行スタイルや旅行観念、中国旅行市場などの変化に伴い、外国人観光客に人気の中国旅行のスタイルにも変化が起きている。例えば、外国人観光客に最も人気の中国の美食にスポットを当てたランキングや、「そこにおいしい食べ物があると聞いた」というだけで、広州や成都に行く外国人観光客も登場している。
以前のほとんどのランキングは旅行先の都市にスポットを当て、歴史や文化が特徴の都市や一・二線都市が主にランク入りしていた。一方、近年は、ランキングに県や鎮などの小都市が登場するようになっただけでなく、多くの三・四線都市、辺鄙な都市にまで目が向けられるようになった。
北京聯合大学観光発展研究院の張凌雲・院長は、「近年、中国の中西部地域にまで足を伸ばす外国人観光客が増加している。外国人観光客はそれらの地域で、ハイキングをしたり、自由旅行をしたりしている。このような旅行スタイルは、ツアー旅行や定番の都市を巡る旅行よりも、外国人観光客の好みにマッチしているほか、他では味わえない体験をしてもらうことができる」との見方を示す。
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