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真珠層の人工合成に成功、人工骨などに応用可能か

人民網日本語版 2016年10月10日15:32

中国科学技術大学の兪書宏教授が率いるチームは、真珠層の人工合成で画期的な進展を実現し、天然真珠層の成長過程を初めて模倣し人工バイオニック構造材料を作り出した。この成果は7日に出版されたサイエンス誌に掲載された。人民日報が伝えた。

殻内層の真珠層は独特で複雑なミクロ層状構造で、非常に高い硬度と柔軟性を持つ。これは多くの人工合成材料で同時に得られない性質だ。兪教授は「自然界の真珠層の形成の過程を見ると、貝類はまず外套膜と殻内壁の成長面の間にある空洞内で、特定の有機材料を用いて層状枠組み構造を構築する。層の間にタンパク質を豊富に含むゼリー状の物質を充填し、層の間で炭酸カルシウムを蓄積しこれをミネラル化させる。最終的に硬度が高く柔軟性を保持した真珠層を形成する。チームはまず天然の貝と完全に一致する有機材料を用いて、類似する層状の枠組みを構築し、これを人工的な空洞内に入れた。さらに循環システムを作り、空洞内の枠組みに飽和炭酸水素カルシウム溶液を注入した。2週間で真珠層の数年に渡る自然形成を終え、その速度は百倍を超えた」と説明した。

兪教授によると、この方法を骨の損傷の修復に用いることで、患者に福音をもたらすことができる。これは人類の骨や歯の発育の過程が、真珠層の形成と同じような仕組みだからだ。類似する手段により人工骨もしくは歯を合成することで、人の骨の強度と柔軟性を高度に再現できる可能性がある。また成分が非常に似通っているため、植え込み後の拒絶反応を効果的に回避し、金属部品を植え込みこれをさらに取り出すという苦痛をなくすことができるかもしれないということだ。(編集YF)

「人民網日本語版」2016年10月10日

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