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日本の国宝級映画監督・山田洋次が中国を訪問し学生と交流 (3)

人民網日本語版 2017年01月04日10:08

喜劇という形を通じて現実と人を描写

山田監督はその80作品以上のほとんどが「家族」や「反戦」をテーマとしており、主人公の多くも普通の人々だ。反戦映画であっても、普通の家庭の生活を切り口にして、厳粛なテーマをそのストーリーに盛り込んできた。

山田監督の視点は、その経験と密接な関係がある。「学生時代に、あるイタリアの映画を見た。ある家族がファシスト党の軍隊に追われ、両親は3人の子供を連れてアルプス山脈を越えて逃げるというのがそのストーリーだった。当時はまだ学生だったものの、その映画を見た後の不安な気持ちをはっきり覚えている。当時、普段家族がとても仲良く過ごしていれば、危機が発生した時に、結束して、家族の力を発揮できるのだと感じた。これが家族だ」と山田監督。

そして「僕は幼少時代を中国で過ごし、難民として日本に戻って少年時代を過ごした。自分が経験、体験したこと、そして大学時代に見たこのイタリアの映画の意味するところが一緒になって、家族をテーマにした映画を製作するきっかけになった。このような体験をベースに、その延長戦として家族をテーマにした映画をたくさん製作したが、それは僕の幼少時代の体験と密接な関係がある。中国と日本だけのことではなく、これは世界共通のテーマであると思う」とした。

普段「落語」を聞くのが趣味という山田監督は、笑いの中に涙あり、涙の中に笑いありというのがその作風で、「喜劇的に現実を描写するのが好き。現実の生活において、多くの人がコミカルな要素を持っている。例えば、ある人が自分は優秀でとても真面目と考えていても、それを横で見ている人からすると、その人はとてもコミカルなことがある。人は本性的に現実とコミカルな要素を兼ね備えている。そのため、現実の中に喜劇は存在する。喜劇はずっと二流、三流のものと見られてきたが、『喜劇というのはとても難しいもので、人間が持っているおもしろい部分を見付けた時に、人は笑うもの』と言っていた先輩がいた。いずれにせよ、僕は『人』を描き続けたい」と話した。(編集KN)

「人民網日本語版」2016年1月4日


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