2016年年末、日本の巨匠・山田洋次監督(85)が北京電影(映画)学院を訪問し、大勢の学生を前に、貴重な経験や会得したことを語った。また、16年に日本で大ヒットした「家族はつらいよ」の中国リメイク版のロケ現場も訪問した。リメイク版は黄磊監督がメガホンをとっている。(文:張嘉。北京青年報掲載)
「映画が完成するたびに不安に襲われる」
山田監督は庶民の目線から作る人情映画を得意とし「喜劇の山田」と呼ばれるなど「日本人の心の代弁者」として活躍。監督作品は85作品に達している。「母と暮せば」(15年)は、第89回アカデミー賞外国語映画部門に日本代表としてノミネートされた。
山田監督は「これまでに80以上の作品を製作してきたが、どの作品も完成した日は不安でいっぱいになる。完成した瞬間には、『ちゃんとできたのだろうか。もう一度、一から作り直したい』と感じる」と話す。
北京電影学院の学生を前に、山田監督は、「映画の製作に近道はない。学生のうちに名作映画を研究し、ゲームをしている時間の一部を映画鑑賞に使ってほしい。監督になれば、映画の製作に完全に没頭しなければならない。そして、製作グループの全員がそれに打ち込み、映画を好きにならなければならない。敬虔な気持ちで、すばらしい映画になるよう祈らなければならない。自分の映画に対してそのような敬虔な姿勢を示し、どの瞬間もそのようにしていれば、最終的に素晴らしい化学変化が起きるだろう」とアドバイスした。
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