大阪府枚方市にある静かな細い道を進んでいくと、3階建てのアパートがあり、そこに「唐針灸館」との看板が上がっている。唐永茜さんにとってそこは仕事場であり自宅。それほど広くはないものの、美しい花で飾られ、清潔感にあふれていた。そこでは、細身の唐さんが日本人の高齢者2人に針灸の治療を行っていた。この2人はここに20年も通っているという。(文:楊野。 重慶晨報掲載)
中学生の時に母親が日本人と知る
唐さんは1959年に、重慶の銅罐驛鎮で生まれ、父親は四川大学の歴史学教授、母親は巴県人民病院の医師だ。
中学になるまで、唐さんは母親が日本人であることを知らなかった。当時、唐さんに悪影響が及ぶことがないようにと、母親はずっとそのことを隠していたのだ。その後、中国と日本の国交が正常化し、政府関係者が自宅を訪れ、母親の日本側の親戚が見つかったことを伝えに来た時に、唐さんは初めて母親が日本人で、日本にたくさんの親戚がいることを知ったという。
母親の影響で、唐さんは子供のころから中国医学に興味を持ち、看護師学校を卒業し、さらに、針灸を学んだ。また、医学著書も研究し、5年かけて中国医学を一生懸命勉強した。
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