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中国の詩・詞が浸透する日本文化 にわかな「漢詩ブーム」 (3)

人民網日本語版 2017年02月22日15:38

漢詩振興に努める組織の登場でブームが加速

学校教育のほか、日本では漢詩の振興に努める組織が数多くある。例えば、1968年に設立された日本吟剣詩舞振興会(にほんぎんけんしぶしんこうかい)は、吟詠、剣舞、詩舞の向上振興を目的に設立された。また、2003年3月に設立された全日本漢詩連盟も、日本における漢詩の研究・普及を図ることを目的にしている。同連盟の本部は東京にあり、全国に支部がある。そして、講座や講演会などを開催して、漢詩の作法や海外情報などを伝えている。

漢詩連盟は全国の漢詩愛好家を糾合し、日本における漢詩の研究・普及ならびに交流を図るほか、広く中国、アジア、欧米各国の同好者との親睦交流を図ることを目指している。石川忠久会長は、同連盟結成に関する趣意書の中で、「わが国の文化は漢詩抜きでは語ることができないと言っても過言ではない」としている。

同連盟は日本全国で漢詩大会を開催するほか、「全漢詩連会報」を発行している。その会員は03年の設立時の約600人から15年5月には2155人にまで増えた。そして、その努力が実り、日本ではにわかな漢詩ブームが起こり、漢詩を学ぶサイトが人気になり、時間に余裕のある高齢者だけでなく、若い人の間でも漢詩を創作する人が増加している。

インターネットの普及も漢詩の振興に拍車をかけている。同連盟の鈴木淳次理事は98年に漢詩サイト「桐山堂」を開設。毎年、300首以上の漢詩の投稿が届いている。鈴木理事は、サイト上で各作品の評価できる点や改善すべき点などを指摘し、引き続き創作に打ち込むよう投稿者を励ましている。

その他、近年は旧漢字を常用漢字体に改めて現代仮名遣いで漢詩を紹介する「平仄字典」や、二字熟語を豊富な句例とともに掲載する「漢詩詩語辞典」など、漢詩の参考書も次々に出版されている。

興味深いことに、漢詩の愛読者や創作者の多くは、実は中国語ができない。日本では早くに、漢文訓読という方法が考案された。この方法を通して、文語体中国語の文章である漢文にそのままの文体で、符号(返り点)、送り仮名などを付けることによって日本語の語順で読解できるようにしている。もちろん、漢詩で重視される発音上のルール平仄(ひょうそく)や同一または類似の韻をもった語を一定の箇所に用いる押韻(おういん)などは、丸暗記するしかない。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年2月22日


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