例えば、高校3年生に対しては、「運動会のレポート作成」の授業を実施しました。これは、「日本人にこの学校の運動会について紹介する」ということを目的に、2人1組でA4用紙に絵や写真、文章を使ってレポートを書くというものでした。生徒たちが下書きした文章には、文法や語彙のいくつかの間違いこそあれ、読む人をしっかりと意識した表現が使われていました。完成したレポートをSNSを通して私の友人や家族・親戚に見せたところ、30件近くのコメントを寄せてくれました。コメントの内容は、生徒たちの日本語能力の高さに驚きを示すものだけでなく、中国の運動会に興味を持ったという意見や、生徒たちの運動会での頑張りを褒めているものもありました。このような内容に深く言及したコメントは、生徒たちにとって、日本語を使って自分たちの思いが伝えられたことの証明となり、大きな自信につながったと思います。また、私自身、自分がこれまで「日本語」という表面の問題にだけ注意を向けていたことにも気付かされました。
この他にも、この学校で昨年の4月まで日本語を教えていた隊員へ感謝の手紙を書くという活動も行いました。手紙の中で生徒たちは、先生との思い出や楽しかった授業のこと、自分の将来のことなどを自由に書いていました。日頃の授業ではあまり発言しない生徒も、手紙の中では「実は先生ともっとたくさん話したかったが、日本語が下手だから話せなくて残念だった」という素直な気持ちを書いていました。直接相手に伝えにくいことも、文章にすることで伝えることができます。これをきっかけに作文学習の意味を見出してくれたらと思いました。
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