中国検索大手・百度はこのほど、人の密集による公共安全の脅威を回避するため、人口分布状況を予測し警告を発する新たなアルゴリズムを開発した。央広網が伝えた。
百度ビッグデータ実験室がこのほど発表した研究報告書によると、百度地図ルート検索データを整理し、目標地点と人口密度を結びつけることで、特定の時間・場所の人の密集状況を予測することができる。
研究チームは2014年上海外灘雑踏事故の発生後、この研究に取り組み始めた。百度の呉海山上席研究員によると、このアルゴリズムは百度地図の混雑データを使うことで、ある地点に今後2時間内にどれほど多くの人が集まるかを予測できる。これまで人の密集を予測するためには、カメラとコンピュータ視覚技術が必要だった。百度のアルゴリズムは地図上のルート検索状況に基づき、観光当局、現地政府、スポーツ・娯楽施設の経営者に警報を発することができる。利用者は自主的に警告の上限値を設定できる。
呉氏によると、このアルゴリズムは整理後のデータを使用するだけで、具体的な利用者の位置を特定するわけではないので、プライバシーの問題が存在しない。百度によると、同技術は依然として学術研究の段階にあるが、将来的に現地政府とイベント会場の経営者に提供される。アルゴリズムが広く普及すれば、利用者はラーメン店の昼の混雑時の状況までも知ることができるようになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年3月29日