是枝:子供と親の間にすでに絆ができているのに、その子供が自分の産んだ子供ではなかったとしたら、本当の血縁関係とは一体何なのだろう?血縁関係が絶対なのだろうか?これは僕が父親になってから考えていること。作品を作る際、意識的に一つのテーマに絞ることはないが、現状はそうなっているのだろう。
記者:是枝さんの作品は、生活の中での苦しみや問題から逃避することはないものの、人間味にあふれ、見る人を温かい気持ちにさせてくれます。
是枝:もしそう感じてもらえているなら、映画を作ってきて本当に良かった。映画を作る時はいつも物事の二面性を考えるようにしている。幸せな物語だけを書くというのは、僕にはできない。幸せの背後にも暗いものがあるはずで、その反対も同じ。例えば、「誰も知らない」に出てくる子供の運命は悲惨だが、そのような子供の生活の中に差し込む太陽の光はないのかと考える。このように考えることが僕が映画を作る時の習慣となっている。
記者:是枝さんの作品は生活感が濃く、とても現実味があります。それは、多くの中国映画に欠けている部分ですが、そのことに対して何か提案はありますか?
是枝:日本では、「細かい所が勝敗を分ける」と言われている。僕が脚本を書く時は、デッサンと同じように、意識的に細かい所にまで注意を払う。人を観察したり描写したりするというのも、細かい所から始まる。
記者:中国の映画館での上映も考えていますか?
是枝:もちろん。だた、今のところはその計画はない。もし本当に上映されても、ドラえもんほどヒットしないだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年4月25日
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