UAムニョスCEO、乗客引きずり降ろしによる「批判の嵐」で会長職就任白紙に

乗客を無理やり引きずり降ろした事件で、米ユナイテッド航空は世界中から「批判の嵐」を浴びている。事件発生から約2週間後、同社は、「乗客の満足度に応じて経営陣の報酬を決定する連動システムをさらに強化する」という方針を発表した。また、現職のムニョスCEOについては、本来の計画では2018年に予定されていた会長職への就任が撤回された。海外メディアの報道を引用して中国新聞網が伝えた。

ユナイテッド航空が米証券取引委員会（SEC）に提出した書類には、同社は現在、「顧客の満足度と経営陣が当該年度に受け取るボーナス額を『より直接的かつ効果的な方法』でリンクさせる体制について検討している」と記載されている。

また、同文書によると、オスカー・ムニョスCEOは2016年、給与・ボーナス合わせて1872万ドル（約20億6500万円）を受け取ったという。

このほか、ユナイテッド航空は、本来の計画では2018年に予定されていたムニョスCEOの会長職への就任が撤回されたことを明らかにした。同社は、ムニョスCEO自ら計画の変更を申し入れたため、理事会が別の人物を選出することになったとしている。

ユナイテッド航空は、座席のオーバーブッキングが原因で、シカゴ発ケンタッキー州ルイビル行きUA3411便の機内で、同社職員を搭乗させる目的ですでに座席についていた4人の乗客に対して同機から降りて別のフライトに乗り換えるよう求めた。乗客の1人だったデイビッド・ダオ氏がそれを拒んだため、法律執行要員が機内に立ち入り、強制的にダオ氏を機外に引きずり降ろした。

ダオ氏が機内から引きずり出される様子を複数の乗客が撮影していた。そこには、傷を負い、顔面血だらけのダオ氏が映っていた。この動画は、世界中の人々の怒りを煽ることとなった。同時に、ムニョスCEOの辞職を求める声も一部から上がった。

ムニョスCEOは最初、「事を荒立て、闘争を好む人物」としてダオ氏を批判したが、その後、態度を改め、「申し訳ない」と遺憾の意を示し、このような事件を再び繰り返さないと約束した。だが、辞職する気持ちはないとの姿勢を貫いた。

ユナイテッド航空の代表は、米議会が21日に開催する予定だった事件公聴会に出席する意向を示していたが、その後同社は政府に対し、公聴会を1週間後に延期してほしいと申し出たという。（編集KM）

「人民網日本語版」2017年4月26日