〇中国人ネットユーザーの提案:「全部食べ尽くした上、『カキの家』を建てられる」
在中国デンマーク大使館がSOSを求める文書を出したことに対し、お節介な中国のネットユーザーが次々と提案を出した。「デンマーク政府は、『カキ観光ビザ』を急いで発給すべき。そうすれば、皆が現地に向かい、カキを食べ尽くしてくれる」、「このカキを安価で中国に売るべき」などの提案のほか、「カキを食べて思い出を残そう」という冗談交じりのコメントも寄せられた。
このほか、福建のネットユーザーは、「大量のカキを食べ尽くしたあとは、『カキの家』を建設できる。これで一連の問題はすっきり解決」と投稿した。
「カキの家」とは何だろう?「カキの家」は、福建省泉州■埔村地方(■は虫へんに尋)に伝わる特色ある民家で、カキの殻で造られている。雨水がたまらず、虫に浸食される心配がなく、冬は暖かく夏は涼しいという特徴を備えている。
「カキの家」はどうやって建てるのか?同村の担当者は、次の通り説明した。
「通常、カキの殻は、表門の左右にある壁面と後ろ側の壁を築くのに用いられる。石灰・砂・土の三つを混ぜ合わせてすり潰したもので壁を作っていく。内壁には、細かい土石を材料として混ぜる。こうして作られた壁は、極めて固くなる。内側が空洞で外側はカキの殻で築かれた壁は、空気を完全に遮断するため、冬は暖かく夏は涼しい。福建省南部はとりわけ、泉州の海風が身を切るように寒い上塩分を含んでいるが、そのような風もこの壁を突き抜けることはできない」。
〇飲食の嗜好の違いから、不用品と化す宝物
デンマークでのカキの大量繁殖による問題に類似した事件は、世界各地で起こっている。メディア報道によると、米国での鯉や牛蛙、ドイツと英国での蟹、スコットランドでのザリガニなどの大量繁殖も、現地に大きな被害をもたらしている。だが、飲食に対する嗜好の違いから、多くの中国人にとって、これらはいずれもごちそうとなる。
「アジア鯉」を例にとると、中国メディアは昨年8月、米国メディアの報道を引用し、「アジア鯉は、米国に入ってきてから50年も経たないうちに、イリノイ川やミシシッピ川の水域で、棲息している生物のうち90%を占めるまでとなった。これらの外来種を淘汰するための対策は、今のところ存在しない」と報じた。
中国人ネットユーザーの多くはこの報道についても高い関心を示し、「米国まで出かけて食べ尽くしたい」とコメントしている。また、「これらのおいしい食材が中国の食卓に運ばれてくることを切に願う」との投稿も寄せられた。
それでは、海外の「おいしい食材」を中国の食卓まで運ぶことは可能なのだろうか?海外メディアが以前報じたところでは、ロサンゼルスに移住した中国系移民のMaggie Yuさんは、「Two Rivers Fisheries」という加工工場を設立した。そこで取り扱う主な原材料は、河に多く棲んでいる「アジア鯉」だ。工場設立から2年も経たないうちに、ケンタッキー州西部は米国でアジア鯉の輸出量が最大の地域になった。2014年3月の時点で、「Two Rivers Fisheries」は、200トンあまりのアジア鯉を中国市場に向けて輸出しており、かなりの利益を得ているという。(編集KM)
「人民網日本語版」2017年4月27日
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