奈良に来たら「シカと記念写真」がお決まり
しかし、生存環境があまりに快適であるため、奈良のシカは個体数が急増しており、2008年発表の調査によれば、その数は1128頭にまで増えている。総面積がわずか276万8000平方キロメートルで、人口36万人以下の奈良市にとっては大きな負担となり、地元の人にとっては悩みの種ともなっている。例えば、車を運転していると、シカが飛び出してくる可能性があり、いつも注意していなければならない。ほぼ毎年、車と鹿の衝突・接触事故が発生しており、それに伴い、死傷したり、車両が破損したりというトラブルも起きている。また、シカの個体数が多すぎるため、観光客があげる餌だけでは足らず、近くの農地を荒らし、毎年農家に大きな経済的損失をもたらしている。ある農家は取材に対して、「20万円かけて、フェンスを作ったものの、あまり効果がない」と肩を落とした。その他、1000頭以上のシカの排泄物も、現地の人にとっては頭の痛い問題だ。有名な観光スポット・東大寺の前にあるスペースは現在、シカが集まる「公衆便所」化しており、ほとんどの観光客がそのような状況に理解を示すものの、きれい好きで知られる日本人は、やはり不快な気分になるようだ。
奈良県は現在、生態バランスを保つために奈良公園以外の場所で生息するシカを捕獲することを検討している。しかし、神格化されているシカを捕獲するのは難しく、さらに、奈良のシカは文化庁が指定する「天然記念物」でもあるため、捕獲するためにはまず政府の許可が必要だ。日本メディアの報道によると、関連の業務は早くても7月以降にならなければ実施できないという。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年5月25日
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