「産業全体が新技術によってひっくり返った場合、リーディングカンパニーはどうやったら生き残れるか」。日本の富士フイルムホールディングス株式会社の古森重隆代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)はこのほど中国メディアの取材に答える中で、この問いに対する回答を示した。「中国青年報」が伝えた。
古森会長は著書「魂の経営」の中国語版出版にあわせて中国を訪れた、同書の表紙の一番上には、「コダックも倒産した。われわれは何によって持ちこたえたらいいのか」との惹句がみえる。富士フイルムは産業全体が極限の災難に見舞われる中で奇跡的にモデル転換に成功し、ビジネス界のモデルケースになった。一連の業界の枠を超えた経営手法、従来のフィルム事業とは全く関係がないようにみえるヘルスケア事業や化粧品分野への参入は、これまでずっと人々の好奇心をかきたててきた。富士フイルムのモデル転換成功のカギはなんだろうか。目下、新技術の衝撃や「第二の創業」(「魂の経営」にある言葉)に数多く直面する中国企業にとって、富士フイルムの経験のどのような点が参考になるだろうか。
2000年、デジタル技術の打撃を受けて、フィルム産業全体が壊滅的な危機に直面した。フィルム産業の「失われた時代」に、富士フイルムは最も過酷なリストラや既存事業の縮小という痛みの時期と新事業開拓の模索の時期を経験した。富士フィルムが打ち出した「第二の創業」における一連の変革は、「左足でブレーキを踏み、右足でアクセルを踏む」ようなものと言う人もいた。フィルム生産分野で大規模なリストラを実施しながら、新興分野では大規模な投資を行ったからだ。
ほぼ同時期に、コダックも意欲的に新しいことを始め、幾度かの変革をたどったが、残念なことに、モデル転換は成功しなかった。こうして12年、フィルム産業で一時代を築いた巨人コダックが倒産を宣言した。その一方で、同じくフィルム産業の巨人である富士フイルムは再生を果たした。古森会長は、「同じようにモデル転換を進めたが、両者はデジタル時代に対する判断が違っていた。コダックは伝統的分野における自社の優位性について富士フイルムよりも自信があり、デジタル時代の到来を受け入れたくはなかった。中国市場でもそうだった」と述べた。
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn