李克強総理が近く訪欧し、中独首相年次会談と第19回中国EU首脳会談に出席するほか、ベルギーを訪問する。NATO首脳会議とG7サミットで貿易や気候変動の問題で米欧の意見が食い違った直後であることから、世界は李総理の訪欧に特に注目している。多極化からグローバル化まで、グローバル・ガバナンスから多国間主義まで、中国EU関係には新たな共通の使命があり、中国EU関係のグローバルな意義が日増しに明らかになっている。(文:王義桅・同済大学ドイツ研究センター研究員、中国人民大学EU研究センター長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
中国とEUのグローバルレベルの共通価値観の増加は、次の点に表れている。
共にグローバル化の推進者である。李総理は24日、ドイツのガブリエル副首相兼外相との会談で「今回の訪問を通じて中独、中国EUが経済のグローバル化と貿易・投資の自由化及び円滑化を支持し、地域の平和と安定を維持し、発展と繁栄を促進するとの強いメッセージを共に発することを期待する」と述べた。ドイツのメルケル首相もこのほど「保護主義と孤立主義は短期的にはわずかな旨味があるかもしれないが、中長期的には自国のイノベーション能力と潜在的発展力を弱める。反グローバル化はドイツを含む全ての国の発展を行き詰まらせる」と表明した。グローバル化に関するEUの報告も、グローバル化の積極的作用を強調し、グローバル化の趨勢は逆転不能との認識を示すとともに、保護主義に明確に反対した。グローバル化は中国とEUの共通利益を拡充した。EUは2004年以来中国にとって最大の貿易パートナーであり、中国も長年EUにとって第2の貿易パートナーの地位にある。
共にグローバル・ガバナンスの促進者である。トランプ大統領は欧州を初訪問した際、パリ協定からの離脱という選挙公約を貫くか否かについて、さらに時間をかけて考えると他のG7構成国に伝えた。メルケル首相は先日の選挙活動時「欧州はこれ以上他国に依存するわけにはいかない」と述べた。トゥスク欧州理事会議長(EU大統領)は「最大の試練を抱えたG7サミットだ」「最も重要なのは、ルールに基づく国際秩序を守らなければならないということだ」と述べた。海洋、極地問題を含む気候変動、グローバル・ガバナンスにおいて中国と協力を図ることが、EU外交の重点となっている。
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