2つ目のキーワードは資源だ。第1次産業革命から現在までの間に、資源の消費量は増加を続けてきた。地球はただ1つしかなく、地球の資源は限られており、人類がどれくらい資源を利用するか、利用効率がどうかが変数になる。
現在、さまざまなシェアリングエコノミーの業態に資源浪費の現象がみられる。ある資源が別の資源(たとえば歩道、公園、緑地などの社会資源)の正当な利用効率の発揮を妨げる場合、私たちは前者の資源は後者の社会資源を生かしているのか、それとも浪費しているのか、また前者と後者の関係でどのようにバランスをとるかといったことを真剣に考えなければならない。こうした点をはっきりさせることが非常に重要だ。シェアリングエコノミーに対する資本の「熱が下がった」場合、浪費された資源を回復することは難しく、残されたバブル状態は長らく存在し、結局割を食うのは政府と一般の人々だからだ。
3つ目のキーワードは文明だ。物質的に非常に豊富である時、物質が破壊されても人々の心の道徳律がかき立てられることはほとんどない。これは実は人の生まれながらの性質と後天的で他律的な作用との「二元的な戦い」なのだ。人類が未開の暮らしをしていた頃は、それぞれの個体が自然界から得られる物質には限りがあり、共有の意識はなかった。物質を獲得する力が強まるにつれ、人類は共有を試みるようになり、共有をめぐる道徳文明システムを作り上げてきた。だがそれにともなって問題も発生し、人類が物質を獲得し、自然を変えることが容易になればなるほど、元々物質に依拠していた文明システムがしばしば侵食される可能性が出てきた。
ドイツの思想家シラーは「美的書簡」の中で、「文明の最も重要な任務の一つは、人がその純粋な物的世界の中で形式による支配を受けるようにすること、人が美の王国の到達し得る範囲内で審美的な人となることである」と述べている。現代社会において、シェアリングエコノミーの発展が直面する課題は実はとても大きい。社会の文明レベルと人々の素質が幅広く向上することが、供給経済がそれ自体の価値観と道徳秩序を形成するための土台になる。これはシェアリングエコノミーの前提であり、現代人の使命であるともいえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年6月13日
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