アジアインフラ投資銀行(AIIB)の第2回理事会がこのほど行われ、アルゼンチン、トンガ、マダガスカルが新たにメンバーに加わった。これにより参加国・地域は計80に達した。(文:程誠・中国人民大学重陽金融研究院副研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
AIIBの金立群総裁は、「AIIBの開放度と透明性を重視する理念が認められた。AIIBは創設の構想が打ち出されてから現在に至るまで、わずか2年半しか経たないのに、地域や文明や発展水準の枠を超えた幅広い支持を獲得し、『友達の輪』に加わるメンバーがどんどん増えている。『仲間を増やす』秘訣はなんだろうか」と問いかけ、次のように述べた。
▽秘訣1:ニーズを的確に捉えていること
AIIBがこれほど幅広い支持を得た根本的原因は、各国の要求に的確に応え。今の世界で最も希少な公共財を提供したことにある。「豊かになろうと思えば、まず道路を整える」ということで、インフレを改善すれば市場取引のコストを引き下げて経済発展レベルを引き上げることができる。だがインフラは往々にして料金徴収によるコスト改修が難しく、そのため(通信分野を除いて)民間投資の大規模な参入を誘致することは難しい。また発展途上国も建設と資金調達の能力を十分に備えていないところが多く、こうしたことが国際的開発融資プロジェクトが発展途上国のインフラ建設における主な資金調達スタイルになるという状況を決定的にしている。関連機関の予測では、発展途上国には毎年インフラ建設で1兆ドル(1ドルは約111.2円)の投資ニーズがあるが、目下の経済成長ペースを維持し、未来のニーズを満たそうとするなら、2020年までは少なくとも毎年さらに1兆ドルの投資が必要だと推計される。また30年の世界のインフラニーズは65兆ドルから70兆ドルに達するとみられるが、これは世界の公共建設の資金プールの供給能力をはるかに上回る数字だ。AIIBの創設は絶好のタイミングで行われ、各国にインフラ分野の開発性金融支援を提供するために設立されたため、各国から大いに歓迎されることになった。
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