2016年以降、中国と日本の関係は全体として改善傾向を維持し、双方の各レベルの接触や対話や交流もより密接になり、実務的な協力が緩やかに推進され、両国の国民感情にも回復の兆しがみえている。これと同時にしっかりと目を向けなければならないのは、目下の中日関係改善の動きはやや脆弱であり、引き続き複雑で敏感な要因に直面しており、両国関係は今、坂を上り関門を乗り越えようとする重要な段階にさしかかっているということだ。2017年は中日国交正常化45周年にあたり、18年は「中日平和友好条約」締結40周年だ。中日はお互いに重要な隣国であり、経済協力は両国関係の重要な安定装置になる。両国経済は異なる発展段階にあり、中日企業の間には強い相互補完性があり、未来の協力の潜在力はとてつもなく大きい。「汽車人伝媒」が伝えた。(文:呂克倹・雑誌「汽車人」論説委員、全国日本経済学会副会長、元在日本中国大使館公使、元商務部<商務省>アジア司司長)
▽中国企業の対日投資を推進 経済貿易協力の新ルートを開拓
ここ数年、中国企業の「海外進出」の歩みが目立って加速し、2016年には対外投資の規模が引き続き外資導入の規模を上回った。中国側の統計によると、現在、中国企業の金融分野を除く対日直接投資のストックは35億1千万ドル(約3941億4千万円)に上り、日本の外資導入額に占める割合は0.6%だが、ここ数年は急速な上昇傾向を示しており、13年は前年比48%増加、14年は同80%増加、15年は同80%増加で、16年には同117%増加となっている。
日本側の統計によると、14年の中国からの対日直接投資の純フロー額は5億9500万ドル(約668億1千万円)で、前年の4.25倍に達し、中国は日本にとって7番目の投資元国になっている。現在、日本政府も地方自治体も海外からの投資を誘致しようと力を入れている。中国政府は実力を備えた中国企業の日本への投資を支援し、日本経済の好転を期待すると同時に、日本が制度やビジネス習慣の面で海外への市場開放をさらに進め、中国企業の対日投資にプラスになることも願っている。
また中日両国はともに世界に向き合い、環境作りを行い、両国の企業が第三国での協力において手を取り合うことを積極的に推進するなど、より大きな可能性を切り開かなければならない。実際、両国の企業が第三国市場で手を結ぶための良好な土台はできている。今後は「一帯一路」(the Belt and Road)建設の推進をきっかけとして、それぞれの優位性を活用し、関連国におけるインフラ建設、国際生産能力、設備製造、経済貿易投資などでの協力を積極的に開拓し展開して、両国経済貿易協力のために新たな分野とルートを切り開くことが必要だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年6月30日
農業・物流がカギ 中日経済貿易関係の現状と展望シリーズ(3):中日経貿協力:日本の都市化に学ぶ
中日経済貿易関係の現状と展望シリーズ(2):中日経済貿易協力 高齢化が消費の新成長源
中日経済貿易関係の現状と展望シリーズ(1):製造業バージョンアップが日系企業の投資に新チャンス
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