▽「大脳」:ハイテクを用いた指令塔
天鯨号は強力な自己航行能力と先進的な掘削コントロール・システムを備えている。船の最上エリアに位置する指令室がこの二大機能を動かす「大脳」の働きを担っている。
広さ40~50平方メートル程度のこの指令室はSF映画に登場する宇宙船のコックピットのような先進的な作りとなっている。掘削に関わる全ての指示がこの約2平方メートルの操作台で完結し、ボタンを押したり、クリックしたりするだけで遠隔操作ができる。担当者たちは掘削しながら、のんびりとお茶を飲むこともあるという。
操作台の両側はそれぞれ測位システムと自己航行システムとなっている。世界的に見ても、ほとんどの浚渫船は自己航行能力を備えていないため、作業地点を移動するたびに船により牽引しなければならない。一方アジアで最大の規模と能力を誇る天鯨号は自己航行式であるため、エリアにおける航行能力や牽引機能に制限されることなく、まさに「世界中のあらゆる海域に出向いて掘削や埋め立てをすることができる」ということになる。
商務部と税関本部は今年5月25日、大型の浚渫船の輸出を禁止した。天鯨号をはじめとした中国交通建設天津航道局が所有する浚渫船の多くは、輸出を禁止された規模に相当する。王氏は、「これはつまり我々の船は他国へ行って作業ができるが、他国はこれらの船を買ってはならないということだ」と述べた。
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