国際的な環境保護意識の高まりにより、メーカーは改革による生き残りの模索を迫られるようになった。現在、中国はEVの発展ペースが最も速い国で、世界の販売市場で30%以上のシェアを占める。人々の間で低炭素社会を目指す環境保護意識がさらに高まり、充電サービスの施設が整うと、EVの普及率はさらに上昇するとみられる。多くの新興国はEVの発展を、自動車工業がカーブで前を走る車を追い越すための近道と考えており、投資は増加傾向にある。米欧市場もEVを技術革命を牽引する新たなエンジンとみなし、米テスラモーターズの新型EVは価格がわずか3万5千ドル(約381万2千円)で、旧タイプEVの半分に下がった。欧州市場では低炭素・汚染物質排出削減に向けた政策に誘導されて、人々の間で新エネルギー車への受容度が急速に上昇している。
こうして、日系メーカーは世界市場の変化を意識し、戦略を調整して、他国メーカーに先駆けて新トレンドをつかまえることを考えるようになった。長年にわたり、日系メーカーは技術改良による燃費効率の向上に着目し、燃料消費率の引き下げに精力を傾けてきた。トヨタが1990年代中期に開発したHVは、走行中のエンジンで発電して充電でき、平坦な道ではEVモードで電気で走行し、坂道などパワーが必要な所やバッテリーの充電量が十分でない時にはガソリンエンジンで走行する。この技術によりHVの単位あたり燃費改善率は50%を超え、HVは省エネタイプ車の代表であり未来だとされた。今年上半期現在、トヨタの各種HVの累計製造量は1千万台に達した。だが技術が複雑で、コストも価格も高いことが、市場での拡大を制約してきた。化石燃料に代わるものを探して、日系メーカーも燃料電池車(FCV)の開発をスタートし、水素を原料とし、水素と空気中の酸素の化学反応で電気エネルギーを生み出し、電気で走行し、排出するのは水だけというFCVが誕生した。だがこのFCVはコストが高く、水素ステーションなどのサービス施設の設置が難しいため、市場にお目見えはしたものの、普及には至っていない。
欧米市場や中国市場の変化に直面して、日系メーカーは戦略調整がすぐにも必要であることを痛感している。予想では、25年の世界のEVニーズは16年の9倍にあたる370万台に達する。技術の簡素化と進歩によりEVの発展がより一層促進されている。化石燃料車で3万件に上る部品を、EVは40%削減した。今後のEVをめぐる競争では、蓄電量、充電速度、放電の安定化など技術の細部が重点になるとみられる。自動運転技術の発展に合わせて、EV走行とスマート制御が自動車の発展の明確な方向性となっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年8月14日
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