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ドラえもん「ぞうとおじさん」は「反日」? 作品を通して声を発する作者 (2)

人民網日本語版 2017年08月18日10:14

藤子・F・不二雄作の「ぞうとおじさん」は、てんとう虫コミックス5巻に収録されており、これまでに2度アニメ化された。

どの回にも、「日本が戦争に負ける」という言葉が出てくるものの、前2回では、ドラえもんとのび太は微笑んでいるだけで、手を挙げて喜んだ様子でそう話すことはなかった。そのようにしているのは、原作漫画と今回の夏の1時間スペシャルだけだ。

また、前2回と異なるのは、ゾウに命を救われた軍部・伍長が、「わしが間違っていた。本当はわしも動物を殺したくない」と話すシーンだ。このシーンは、戦争が人の心に大きな傷をもたらすという日本人の思いを別の角度から表現しており、戦争をしてはならないという決意が示されている。

このようなシーンの実現に、チーフディレクター・大杉宜弘さんが貢献している。最近の対談で、大杉さんは、「戦争という重いテーマを『ドラえもん』で扱うのは相当の覚悟と勇気がないとできないと思うんだよね。よくチャレンジしたと思う」と率直に述べている。

「ドラえもん」の作者である藤子・F・不二雄は真の天才。スーパーロボットやミステリー、SF、マジック、タイムスリップなどの、今流行しているほぼすべての要素が「ドラえもん」の劇場版には盛り込まれており、想像力を最大限働かせたアニメーション映画と言われている。しかし、藤子・F・不二雄はそれだけでは満足しない。それらの要素だけでは、単に「すばらしい」とか、「おもしろい」とかしか言えず、「偉大」とは大きな距離がある。それらの作品を通して伝えられる価値観にこそ、藤子・F・不二雄の志が詰まっており、ドラえもんが「偉大」と言われる理由でもある。

優秀なクリエイターと偉大なクリエイターにはどんな違いがあるのだろう?筆者は、現実や商業利益のために、妥協して小さくまとまることなく、自分の影響力を活用して社会で声を上げたり、弱者のために声を上げたり、本当の意味で大切で素晴らしいもののために声を上げたりできるのが、偉大なクリエイターだと考えている。

自由、平等、愛などは、ありふれた言葉であるものの、依然としていつでも人々の心を打つことができる。その根本的な理由は、それらこそが本当の意味で美しいものだからだ。そして、映画のセリフにあるように、いいものは決して死なない。(文:黄不会)(編集KN)

「人民網日本語版」2017年8月18日


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